Google AIモードは、複雑な質問をサブトピックへ分けて検索し、ウェブリンクを伴う回答を生成する対話型の検索機能です。日本語では2025年9月から順次提供され、2026年7月時点ではGoogle検索のAIモードタブなどから利用できます。AI Overviewから追質問してAIモードへ移ることもできるため、企業にとっては最初の言及だけでなく、条件が深掘りされた最後の比較・推薦候補に残れるかが新しい観測課題になります。ただし、表示や推薦は保証できません。
この記事でわかること
- Google AIモードの定義とquery fan-outの仕組み
- AI Overviewとの違いと使い分け
- 日本での提供状況とPC・スマホでの使い方
- サイト流入・最終推薦への影響と確認方法
まず、検索前の疑問に短く答えます。それぞれの根拠と条件は、本文の各章で解説します。
| 疑問 | 答え |
|---|---|
| AIモードとは? | 追質問できるAI検索 |
| 日本で使える? | 2025年9月から提供 |
| AI Overviewとの違いは? | 要約表示と対話探索 |
| SEOは不要になる? | 不要にはならない |
| 何を測る? | 露出・最終候補・流入 |
早見表の答えの根拠と実務への影響を、次の順で確認します。
Google AIモードとは、追質問しながら深く調べられる対話型検索機能
「検索結果に出てきたこのタブは何なのか」という疑問から、まず正体をはっきりさせましょう。
Google AIモードは、質問を複数のサブトピックへ分けて検索し、関連するウェブリンクを伴う回答を生成しながら追質問できる対話型検索機能です。一度の検索で答えを受け取って終わるのではなく、回答を読みながら会話のように調べ続けられる点が、従来の検索体験との根本的な違いと言えます(出典:Google検索ヘルプ「Google検索のAIモードでAIによる回答を取得する」・2026年7月20日確認)。

質問をサブトピックに分けるquery fan-out
AIモードの回答生成では、query fan-outと呼ばれる仕組みが使われます。入力されたひとつの質問を複数のサブトピックへ分解し、それぞれについて検索を行ったうえで回答を組み立てる方式です。たとえば「中小製造業に合うSEO会社の選び方」という質問なら、費用相場、支援範囲、業界実績といった観点へ分解されて情報が集められます。入力した一語のキーワードだけで探索が完結しない、という前提がここから生まれます。
テキスト・音声・画像で質問できる
質問の入力はテキストに限りません。音声や画像でも質問でき、状況に応じた聞き方が可能です。移動中に音声で聞く、手元の資料を撮って聞く、といった使い方が検索の入口を広げています。
回答にはウェブを確認するためのリンクが付く
生成された回答には、内容を裏付けるウェブページへのリンクが添えられます。利用者は回答を鵜呑みにせず、リンク先で一次情報を確かめられる設計です。逆に言えば、サイト運営者にとっては、AI回答の中の参照リンクが新しい流入の入口になりえます。なお、生成AIの回答である以上、内容が不正確な場合もあるため、重要な判断ではリンク先の確認が前提になります。
AIモードとAI Overviewの違いは、要約表示か対話探索か
「AI OverviewとAIモードは同じものではないのか」。ここで混同している方は少なくありません。両者は別の機能です。
AI Overviewが通常の検索結果内で要点を提示するのに対し、AIモードは利用者が自ら開き、文脈を保った追質問や複雑な比較を続ける検索体験です。要点をさっと把握したいときはAI Overview、条件を重ねて深く比較したいときはAIモード、という住み分けになります。
| 比較 | AI Overview | AIモード |
|---|---|---|
| 主な役割 | 要点を把握 | 深く探索・比較 |
| 表示 | 通常検索内 | 専用タブ等 |
| 追質問 | AIモードへ接続 | 文脈を保ち継続 |
| 得意領域 | 概要確認 | 複雑な判断 |
| リンク | 関連情報源 | 回答を支える情報源 |
注意したいのは、両者が分断された機能ではなくなっている点です。2026年時点では、AI Overviewの表示から直接追質問して、文脈を保ったままAIモードへ移れます。「AI Overviewは対話できない」という以前の説明は、もう正確ではありません。AI Overview側の仕組みと表示条件は、AI Overviewの仕組みとSEOへの影響で詳しく解説しています。
AIモードは日本で利用できる?2026年7月時点の提供状況と使い方

「自分の環境で使えるのか、どこから開くのか」という疑問には、実際に触ってみるのが理解の近道ですので、まず入口から整理します。
AIモードは2025年9月9日から日本語で順次提供され、2026年7月20日時点ではPC・モバイルのGoogle検索などで利用できます(出典:Google Japan Blog「Google検索におけるAIモードを日本語で提供開始」)。順次提供のため、アカウント、地域、設定によって表示状況に差がある場合があります。以前のSearch Labs限定の試験段階とは異なり、通常のGoogle検索から利用できる段階です。
PCではAIモードタブまたは専用URLから使う
PCでは、Google検索の結果画面に表示されるAIモードタブから開くか、`google.com/ai`へ直接アクセスして利用します。検索窓に質問を入力すると、回答と参照リンク、追質問の入力欄が表示されます。

スマホではGoogle検索・Googleアプリから使う
スマートフォンでは、ブラウザのGoogle検索またはGoogleアプリからAIモードを利用できます。表示位置や導線はUIの更新が続いているため、実際の画面での確認をおすすめします。

AI Overviewから追加質問してAIモードへ進む
通常検索でAI Overviewが表示された場合、そこから追加の質問を入力すると、文脈を引き継いだままAIモードでの対話へ進めます。利用者にとっては、「調べ始めは通常検索、深掘りはAIモード」という流れが、意識しないうちにつながる形です。
対話の最後に自社が推薦されないと、どの顧客接点を失うのか
ここからは機能の話を一歩進めて、事業への影響を考えます。「うちの問い合わせはSEO経由が多いが、この機能で何が変わるのか」という疑問への答えです。
「○○ おすすめ」は入口の一つになる
従来の導線は「SEO会社 おすすめ」で検索し、上位の比較記事を読み、企業サイトへ移って問い合わせる、という一本道でした。対話型検索では、この一問は探索の入口のひとつに変わります。入口としての価値は残りますが、そこで終わらない点が違いです。
追質問で条件が増えるほど候補が絞られる
AIモードでは「SEO会社を探している」から始まり、「BtoBに強いところ」「記事だけでなく技術実装も対応できるところ」「この予算と体制に合うのは」と追質問が重なり、条件が具体化した最終回答で候補が数社まで絞り込まれます。単発クエリの順位ではなく、対話のシナリオ全体が導線になるわけです。

最終推薦から外れると訪問前に比較対象から消えうる
この構造で重要なのは、対話型検索では、最初の質問で企業名が出ても、条件を追加した最終回答で推薦候補から外れると、指名検索やサイト訪問の機会を失う可能性があるという点です。初回の言及、条件追加後の候補残存、最終推薦は、それぞれ別の段階として分けて観測する必要があります。
なお、この「最終推薦とCVの関係」は当社クラウドロイドの戦略仮説であり、一度の回答や特定業界の観測を一般化できるものではありません。自社データでの検証を前提にお読みください。従来の「○○ おすすめ」型SEOが不要になるわけでもなく、相対的な重要度が下がる場面がある、という位置づけです。この変化を戦略・予算・KPIへどう落とすかは、AI時代のSEO戦略で扱っています。
AIモードでサイト流入はどう変わる?測れることと測れないこと
「流入は減るのか」。最も聞かれる質問ですが、増減を一律に断定できないのが正直な答えです。業界、クエリの種類、利用者層で影響は異なります。だからこそ、自社で測れる範囲を知ることが出発点になります。
Search Consoleで生成AIのインプレッションを確認する
Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートでは、対象サイトのAI機能でのインプレッションを確認できる場合があります(出典:Search Consoleヘルプ「生成AIパフォーマンスレポート」・2026年7月20日確認、一部サイトへ展開中)。ただし、すべてのプロパティで利用できるわけではなく、データ仕様上、AI OverviewとAIモードを完全に分離して見られない場合には、その限界を踏まえて読む必要があります。
対話各段階の候補残存は自社で観測する
公式レポートでは、対話のどのターンで自社が候補に入り、なぜ推薦・除外されたかまでは分かりません。ここは自社観測の領域です。営業や商談で実際に聞かれる条件をもとに代表対話を5〜10シナリオ用意し、質問、地域、日時、試行回数を固定して複数回実行し、初回言及・条件追加後の残存・最終推薦・引用URLを記録してください。
最終推薦、指名、訪問、CVを別々に記録する
観測した結果をひとつの数字へまとめようとせず、次の4指標を別の欄で記録します。
別々に記録する4指標
- 最終推薦への残存
- 指名検索
- サイト訪問
- CV(問い合わせ・相談)
GA4やサーバーログ、問い合わせ時の「何で知ったか」アンケートを組み合わせると、AI経由の接点が輪郭を持ち始めます。公式計測と自社観測で分かる範囲は次のとおり分かれるため、段階ごとの変化を追うのが実務的です。
| 手段 | 分かること | 分からないこと |
|---|---|---|
| Search Console生成AIレポート | AI機能でのインプレッション | 対話ターン別の推薦理由 |
| GA4・サーバーログ | AI経由を含む流入・行動 | 表示されたが訪問しなかった接点 |
| 代表対話の自社観測 | 候補残存・最終推薦・除外理由 | 全ユーザーの実際の対話内容 |
3つの手段はどれも単独では全体像をつかめないため、欠けている範囲を互いに補う前提で運用し、影響の議論を推測ではなくデータで進めてください。
サイト運営者が今から確認することは、通常SEO・条件情報・観測設計の3つ

「結局、何を準備すればいいのか」という問いへの答えは、拍子抜けするほど普通です。AIモード向けの特別な追加要件はなく、確認すべきは次の3点に集約されます。
今から確認する3項目
- Google検索の技術要件とindexの状態
- 自社が対応できる条件・できない条件の明示
- 代表対話を固定した継続観測の設計
Google検索の技術要件とindexを確認する
AIモードの参照対象になる前提は、通常のGoogle検索に正しく掲載されていることです。クロール・index・スニペット設定という基本の点検が最初の一歩になります。llms.txtの設置、FAQの量産、AI向けの隠しテキスト、構造化データの追加だけを特効薬として頼るアプローチは、公式情報に照らして根拠がありません(出典:Google Search Central「AI機能とウェブサイト」・2026年7月20日確認)。
自社が対応できる条件とできない条件を明示する
対話で条件が深掘りされたとき、適合性を判断できる材料がサイト上にあるかを見直します。対応業種、予算が変わる要因、支援範囲、そして向かないケースまで書かれているサイトは、条件付きの質問に対して答えを持っている状態です。ユーザー第一で書かれた本文が、そのまま対話型検索への備えです。
代表対話を固定して継続観測する
前章の観測設計を実装に移します。代表質問セットを決め、定点で記録を続ければ、施策の前後比較ができる状態になります。ここから先の具体的なコンテンツ改善・観測手順は、LLMO対策の具体的な進め方が正典です。3項目の確認を終えたら、次はそちらへ進んでください。
Google AIモードについてよくある質問
最後に、利用と影響に関する短い疑問へまとめて答えます。なお、「SEOはもう不要ではないか」という論点そのものへの詳しい回答は、SEOは意味がないと言われる理由で扱っています。
A. 使わない選択が可能です。AIモードは利用者が自分で開く機能のため、開かなければ表示されません。一方、通常検索に表示されるAI Overviewを完全に無効化する公式設定は提供されていません(2026年7月20日確認)。
A. 使えます。ブラウザのGoogle検索またはGoogleアプリから利用できます。表示位置はUIの更新で変わる場合があるため、実際の画面でご確認ください。
A. 通常検索はリンク一覧から自分で選ぶ体験、AIモードは質問を分解した検索結果をもとに回答が生成され、追質問で深掘りできる対話型の体験です。
A. あります。生成AIによる回答のため、不正確な内容が含まれる可能性があります。回答に添えられたリンクから一次情報を確認するのが前提です。
A. 不要にはなりません。AIモードの参照対象になるには通常のGoogle検索への掲載が前提であり、従来のSEOの土台はそのまま必要です。
A. 公式ツールでは確認できません。代表質問と観測条件を固定し、複数回の対話を自社で記録して傾向として把握する方法が現実的です。
まとめ—AIモードは「検索順位」から「対話の候補残存」へ観測範囲を広げる
Google AIモードは、query fan-outで質問を分解し、追質問で深掘りできる対話型検索機能です。日本では2025年9月から提供が始まり、AI Overviewとも接続されて、検索体験の標準的な一部になりつつあります。
サイト運営者がやるべきことは、機能に振り回されることではありません。通常SEOの土台を維持し、条件情報を整え、主要な対話シナリオで自社がどの段階まで候補に残るかを観測する。この現状確認から始めれば、対策の要否も投資の規模も、自社のデータで判断できるようになります。表示・推薦・流入を保証する方法は存在しないからこそ、測れる範囲を正確に知ることが最初の一歩です。
クラウドロイドでは、AI検索を含む現状の計測環境の確認から、観測設計、改善の優先順位づけまでを相談いただけます。なお、AIモードでの表示・推薦・流入の保証を求めるご依頼には、当社を含めどの支援会社も本来お応えできません。まずは自社の主要テーマでAIモードを実際に使い、最初の対話を記録するところから始めてみてください。
