成果報酬型SEOの料金を調べても、記事ごとに違う金額が並んでいて、結局いくらなのか分からないままではないでしょうか。結論を先にお伝えすると、成果報酬型SEOに単一の料金相場は存在せず、比較すべきなのは表示されている1キーワード単価ではなく、全キーワードが成果条件を満たした場合の最大月額と、固定費・制作費を含む契約期間全体の総額です。この記事では、相場の金額を並べる代わりに、自社の条件で請求額を計算できる式と、見積書を同じ条件へ揃えるための確認項目を整理します。
この記事でわかること
- 成果報酬型SEOに単一の料金相場を示せない理由
- 料金を初期費用・固定費・成果報酬・制作実装費に分解する方法
- 順位型の請求額を自社の条件で計算する式
- 未達・一部達成・全件達成の3ケースで月額を試算する手順
- 料金が安く見える契約に潜む構造的な理由
| 疑問 | 短い答え |
|---|---|
| 料金はどう決まる? | キーワード数 × 順位別単価 × 達成日数 + 固定費 |
| 相場はいくら? | 単一の平均額は示せない。本記事は金額の掲載を見送っています |
| 成果が出なければ0円? | 初期費用・固定費・制作費は別に発生し得る |
| 1キーワードの単価で選べる? | 選べない。単価より最大月額で比較する |
| 初期費用は無料? | 会社による。保証金・最低料金の有無もあわせて確認する |
| 月額型より安い? | 未達月は安く、全件達成月は高くなり得る |
| 記事制作費は込み? | 契約による。制作・入稿・実装を分けて確認する |
| 見積は何を揃える? | 対象キーワード・成果順位・計測条件・支援範囲の4点 |
早見表のうち2行目に驚かれたかもしれません。なぜ金額を出さない判断をしたのかを含めて、次の順で解説します。
成果報酬型SEOの料金に単一の相場額は存在しない
「相場はいくらか」という問いに対して、金額で答えている記事は多くあります。ただ、その数字がどこから来たのかを確認すると、根拠をたどれないものが少なくありません。
本記事では、成果報酬型SEOの日額単価や月額相場の金額を掲載する判断をしていません。理由は2つあります。
1つは、料金を決める条件が契約ごとに違うことです。成果報酬型の単価は、対象キーワードの難易度、成果条件とする順位、支援範囲の組み合わせで決まります。この3つが揃っていない金額をいくつ集めて平均しても、読者の見積書と並べられる数字にはなりません。
もう1つは、情報源の性質です。金額を示している記事の多くは、SEO会社のブログや比較メディアといった、調査主体ではない二次情報にあたります。当社は、調査主体・地域・期間・方法まで原典で確認できない数値は掲載しない方針を取っています。そのため金額の掲載を見送り、代わりに読者が自社の見積書から請求額を計算できる形で情報を提供します。
実務で役に立つのは相場ではなく料金式
見積もりの場面で必要になるのは、他社の平均額ではありません。提示された条件で自社の請求額がいくらになるのかという計算です。相場額を知っていても、対象キーワード数と達成日数が違えば請求額は変わります。逆に計算式を持っていれば、どの会社の提案でも同じ物差しで金額を出せます。
料金の話で使われる用語の整理
見積書と提案書で使われる言葉は、会社によって揺れることがあります。本記事では、次の意味で統一して使います。
- 成果日額方式
- 対象キーワードが成果条件を満たした日数に、順位別の日額を掛けて請求額を出す方式。
- 月額日割り方式
- 1キーワードの月額報酬を当月日数で割り、達成日数を掛けて請求額を出す方式。
- 固定費
- 成果の有無にかかわらず毎月発生する費用。月額基本料・最低料金・ツール利用料などが含まれる。
- 最低料金
- 請求額が一定額を下回った場合に、その額まで引き上げて請求する取り決め。
- 上限額
- 1か月または契約全体で請求額の上限を定めた取り決め。設定がない契約では最大額が確定しない。
用語の定義が揃っていないと、同じ「月額」という言葉で違うものを比べてしまいます。見積書を受け取ったら、この5語がどの意味で使われているかを先に確認してください。
金額を掲載している記事の読み方
他社の記事に並んでいる金額を参考にする場合は、次の3点が書かれているかをご確認ください。
出どころ
調査主体の公開情報か、書き手による推定かを見分けます。
成果順位
何位以内を達成した場合の金額なのかを確かめます。
金額の単位
1キーワードあたりか、契約全体かを区別します。
この3点が書かれていない金額は、自社の見積と比べる基準になりません。とくに1キーワードあたりの単価を契約全体の月額と誤って比べると、10倍近い差が生まれます。数字の単位を揃えるだけで、見え方が変わる場面は少なくありません。
公開されていない料金は推測しない
料金を公開していない会社について、他社の金額から推定するのは避けてください。成果報酬型では、成果条件の順位、対象キーワードの難易度、支援範囲が金額を決めます。条件が違えば単価は比較できません。公開されていない項目は「要問い合わせ」として空欄のまま扱い、見積書を取り寄せてから埋めるのが安全です。料金方式そのものの仕組みは、成果報酬型SEOの定義を解説した記事で扱っています。
料金の内訳は初期費用・固定費・成果報酬・制作実装費の4区分

「成果報酬型だから成果が出るまで支払いはない」と受け取ってしまうと、見積書を読み違えます。支払総額は4つの区分の合計で決まり、そのうち成果に連動するのは1区分だけです。
| 区分 | 主な費目 | 発生条件 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 初期調査・戦略設計・計測設定 | 契約時に一度 |
| 固定費 | 月額基本料・最低料金・ツール利用料 | 毎月(成果の有無を問わない) |
| 成果報酬 | 順位達成分・有効CV分 | 成果条件を満たしたとき |
| 制作実装費 | 記事制作・画像・CMS入稿・開発作業 | 作業が発生したとき |
表のとおり、支払総額のうち成果に連動するのは3行目の1区分だけであり、残る3区分は成果が出ていない月にも発生し得ます。見積書を比較するときは、費目の名称ではなく「成果が出なくても発生するか」という一点で分類し直してください。名称は会社ごとに異なるため、名称で揃えようとすると比較になりません。
初期費用の対象は調査・戦略設計・計測設定
初期費用の中身は、現状分析、キーワード調査、競合調査、計測ツールの設定などです。契約時に一度だけ発生する費目のため、契約期間が短いと1か月あたりの負担が大きくなります。3か月で解約した場合と12か月続けた場合で、初期費用の実質的な重みは4倍違います。契約期間と合わせて評価してください。
固定費は成果が出ていない月にも発生
月額基本料、最低料金、順位計測ツールの利用料は、成果条件を満たしていない月にも請求されます。「完全成果報酬」と記載があっても、これらが別建てになっている契約では、実質的に固定費が存在します。見積書の全費目について、成果ゼロの月にいくら請求されるかを合計してください。その金額が、この契約の毎月の下限額になります。
制作実装費は作業単位で発生
記事の制作、画像や図解の作成、CMSへの入稿、構造化データの実装、表示速度の改善などは、成果報酬とは別に作業費として計上される場合があります。「SEO対策一式」という見積項目では、どの作業が含まれるのかが分かりません。工程別に分けた見積を依頼してください。各費目を契約書へ落とし込む手順は、契約条項の確認項目を扱った記事で解説しています。
順位型の請求額はキーワード数・順位別単価・達成日数で算定

請求書が届いてから金額に驚く事態を避けるには、計算式そのものを先に押さえておく必要があります。順位を成果条件にする契約では、大きく2つの計算方式が使われます。
| 方式 | 計算式 | 請求額が変わる要因 |
|---|---|---|
| 成果日額方式 | 対象キーワード数 × 順位別の日額 × 達成日数 | 達成日数の数え方、順位の刻み |
| 月額日割り方式 | 1キーワードの月額報酬 ÷ 当月日数 × 達成日数 | 当月日数(28日か31日か)、端数処理 |
同じ「30日間10位以内」でも、方式が違えば請求額は一致しません。月額日割り方式では2月と3月で1日あたりの単価が変わるため、年間で見ると差が出ます。どちらの方式かを見積書に明記してもらってください。
順位別の段階制は刻みの位置が要点
1位から3位と4位から10位で単価を分ける段階制を採る契約があります。この場合、確認すべきは段階の刻み位置です。3位と4位の境目で単価が2倍になる設計であれば、3位を維持できる月と4位に落ちる月で請求額が大きく変わります。段階が何段あり、それぞれの単価がいくらかを表で受け取ってください。
請求額を左右する達成日数の数え方
1日でも成果順位に入れば課金対象になるのか、連続して一定日数入る必要があるのかは、契約ごとに異なります。日次判定で1日単位に課金する方式では、順位が上下する月にも細かく課金が発生します。逆に連続日数を条件にする方式では、変動の大きいキーワードで課金が発生しにくくなります。どちらが有利かは対象キーワードの安定性によって変わるため、判定方法と判定頻度をあわせて押さえておいてください。
税と請求締めの扱いも金額に影響
見積書の金額が税込か税別かで、実際の支払額は1割ほど変わります。複数社を比較する際は、どちらかに統一して並べ替えてください。あわせて請求の締め日と支払期日も確認しておくと、資金計画に反映できます。月末締めで翌月末払いなのか、達成日数の確定を待って締めるのかによって、支払いのタイミングが1か月ずれる場合があります。端数処理の方法も、キーワード数が多い契約では合計額に差として現れます。
最大請求額を決めるのは月額上限の有無
上限額の設定がない契約では、全キーワードが成果条件を満たし続けた月に請求額が大きく伸びます。上限があるかどうか、上限がキーワード単位なのか契約全体なのかを見ておいてください。契約全体の上限が設定されていれば、稟議で提示できる最大額が確定します。なお、順位に連動して課金する仕組みと、順位そのものを約束する順位保証は、別の論点として区別してください。上限額は課金の話であり、到達を約束するものではありません。
順位の測り方が変われば請求額も変わる
順位を成果条件にする契約では、順位の測り方が請求額を直接左右します。検索結果は固定されたものではなく、検索が行われた時間、場所、デバイス、利用者の履歴によって表示が変わります。したがって測定条件を書面で固定しなければ、請求の根拠となる数字が動きます。
固定すべき条件は、検索エンジン、端末、地域、対象枠、対象URL、測定ツール、測定頻度、成果順位、継続条件、欠測時の扱いの10項目です。あわせて、成果判定にSearch Consoleの平均掲載順位を使うのか、順位計測ツールの特定時点順位を使うのかも一方に決める必要があります。10項目の内容と2つの指標の違いは成果報酬型SEOの仕組みと成果条件で扱っています。
月額費用は未達・一部達成・全件達成の3ケースで試算

稟議で問われるのは想定額ではなく上限額です。成果報酬型では月ごとに請求額が変わるため、3つのケースで試算してから予算を確保してください。
以下は計算方法を示すための架空の条件であり、実在するサービスの料金ではありません。5キーワード、成果日額1,000円、固定月額5万円、初期費用10万円(初月のみ)と仮定します。
| ケース | 達成状況 | 成果報酬 | 固定月額 | 初期費用 | 初月合計 | 2か月目以降 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 未達 | 0日 | 0円 | 5万円 | 10万円 | 15万円 | 5万円 |
| 一部達成 | 3KW × 10日 | 3万円 | 5万円 | 10万円 | 18万円 | 8万円 |
| 全件達成 | 5KW × 30日 | 15万円 | 5万円 | 10万円 | 30万円 | 20万円 |
この条件では、初月の請求額が15万円から30万円まで2倍の幅で動きます。さらに12か月継続した場合、未達が続けば初年度総額は70万円、全件達成が続けば250万円となり、同じ契約で3.5倍の開きが生まれます。稟議に出す金額は、この上限側です。
なお、対象キーワードが増えるほど、また達成日数が伸びるほど請求額は上がります。支払いの増加分を売上の伸びが上回るかどうかも、契約前に確かめておく必要があります。その計算方法は本記事の後半で扱います。
見積金額を左右するのはキーワード難易度・成果順位・支援範囲
同じキーワード数で依頼しても、会社によって、また条件によって見積金額は変わります。金額差の理由が分かれば、値引き交渉ではなく条件の調整で予算に合わせられます。
| 要因 | 金額が上がる方向 | 自社で調整できるか |
|---|---|---|
| キーワードの競合性 | 検索需要が大きく競合が多いほど高い | 対象を絞れば調整できる |
| 成果順位の水準 | 10位以内より3位以内のほうが高い | 条件を緩めれば調整できる |
| 対象キーワード数 | 数が増えるほど総額が上がる | 優先度で絞れる |
| 既存ページの状態 | 改善が必要な量が多いほど高い | 事前に自社で整えられる |
| 支援範囲 | 提案のみより実装込みのほうが高い | 社内リソースで代替できる |
| 契約期間 | 短期契約は1か月あたりの負担が上がる | 期間を延ばせば下がる |
| レポート・定例の頻度 | 回数が多いほど工数が乗る | 頻度を下げられる |
右端の列を見ると分かるとおり、金額を下げる手段は値引き依頼だけではありません。対象キーワードを絞る、成果順位を10位以内に緩める、実装を自社で行うといった条件変更のほうが、双方にとって説明のつく調整になります。
検索ボリュームだけで対象キーワードを決めない
検索需要が大きいキーワードは単価も高くなりますが、需要の大きさは事業価値と一致しません。検索した人が自社の顧客になり得るかという観点で、候補を1件ずつ確かめてください。需要が小さくても購買意図が明確なキーワードのほうが、単価が低く採算も合う場合があります。
難易度が高いキーワードで増える作業
難易度が高いという説明を受けたら、具体的に何の作業が増えるのかを尋ねてください。記事の本数が増えるのか、既存ページの構造改善が必要なのか、外部施策を前提にしているのかによって、リスクの性質が変わります。作業内容を説明できない提案は、金額の妥当性も検証できません。料金と支援範囲を同じ条件で比べる方法は、後述の会社選びの記事で扱っています。
成果報酬以外の追加費用が総額を押し上げる
成果報酬の単価が低く見える見積でも、追加費用を積み上げると総額が入れ替わることがあります。見積書に載っていない作業が有償になるかどうかを、契約前に洗い出してください。
- 記事の制作費と修正回数の上限を確認した
- 画像・図解の作成費が含まれるかを確認した
- CMSへの入稿作業が含まれるかを確認した
- 構造化データ・表示速度などの技術実装が含まれるかを確認した
- サーバー作業・リダイレクト設定の扱いを確認した
- 順位計測ツール・分析ツールの費用負担を確認した
- 契約後に対象キーワードを追加する場合の単価を確認した
- 定例会の追加開催や緊急対応の費用を確認した
- 契約更新時の費用改定の有無を確認した
- 解約時の違約金と、外部施策のリンク撤去費用を確認した
10項目のうち確認できない欄が残る場合、その作業は請求されるかもしれない費用として扱ってください。とくに最後の2項目は、契約を終えるときに初めて金額が判明する費目です。
本番環境への変更を含む場合の承認手順
WordPress、サーバー、DNS、構造化データ、リダイレクトの実装を含む契約では、作業範囲、バックアップの取得、検証環境の用意、切り戻し手順を見積書へ明記してもらってください。本番環境をそのまま書き換える作業は、表示の崩れやインデックスからの消失など、元に戻せない事故を招きます。作業前のバックアップと切り戻し手順が示されない提案は、金額の安さにかかわらず見送る判断が妥当です。
料金が安く見える契約には構造的な理由がある
成果報酬型は、成果条件を満たさない限り支援会社の売上が立たない仕組みです。そのため、短い期間で順位を動かせる手法が選ばれやすくなります。当社は、単価の妥当性を見るときに、この誘因が働いている前提で価格を読むべきだと考えています。
したがって、単価の安さだけで比べるのではなく、その価格で何をするのかを確認してください。確認すべきは施策内容の開示可否、対象キーワードの選定理由、そして外部施策を含む場合のリンク元と取得方法です。この構造が生む不利益と、Googleのポリシーとの関係は安く見える契約に潜むリスクの全体像で系統別に解説しています。
月額固定型との比較は6軸と総額の分岐点で行う

「成果報酬型のほうが安い」という説明は、成果が出ていない月を基準にしたものです。比較の基準を揃えると、結論は変わります。
| 比較軸 | 成果報酬型 | 月額固定型 |
|---|---|---|
| 支払条件 | 成果条件を満たしたときに発生 | 契約した支援に対して毎月定額 |
| 予算の予測 | 上限設定がなければ読みにくい | 契約額のまま予測できる |
| 支援範囲 | 成果条件に関わる範囲へ寄りやすい | 契約内容に応じて広く設計できる |
| 施策変更の柔軟性 | 成果条件の変更に合意が必要 | 期中でも方針を調整しやすい |
| 社内の実装負担 | 契約次第で大きく残る | 契約次第 |
| 資産性 | 契約次第。終了後の扱いで決まる | 契約次第。終了後の扱いで決まる |
表の下4軸は「契約次第」と書かれる箇所が多くあります。方式の性質だけで決まるものではなく、個別の契約内容で変わります。
両方式の利点と不利な面
金額の比較に入る前に、それぞれの性質を両面で整理しておきます。
成果報酬型が有利に働く面
- 成果が出ない期間の費用負担を抑えられる
- 費用と成果の対応が数値で確認できる
- 対象を限定すれば効果の検証がしやすい
- 初期投資を抑えて外注を試せる
成果報酬型で不利になる面
- 成果が出た月の請求額が伸びる
- 上限設定がなければ年間予算を確定できない
- 支援範囲が成果条件の周辺に寄りやすい
- 成果条件の変更に合意が必要になる
左側が成立するのは、対象を限定でき成果条件を数値で定義できる場合です。右側が大きく出るのは、サイト全体の課題が整理されていない状態で契約した場合です。有利か不利かは方式の性質ではなく、自社の準備状況で決まります。
成果達成率のどこかにある分岐点
成果報酬型は成果が出るほど支払いが増え、月額固定型は変わりません。したがって、成果の達成率がある水準を超えたところで、成果報酬型の総額が月額固定型を上回ります。この水準が分岐点です。次の条件も、分岐点の出し方を示すために設定した架空のもので、実在するサービスの料金ではありません。成果報酬型が固定月額5万円+成果日額1,000円×5キーワード、月額固定型が月額20万円と仮定します。
| 達成状況 | 成果報酬型の月額 | 月額固定型の月額 | どちらが低いか |
|---|---|---|---|
| 未達(0日) | 5万円 | 20万円 | 成果報酬型 |
| 3KW × 10日 | 8万円 | 20万円 | 成果報酬型 |
| 5KW × 20日 | 15万円 | 20万円 | 成果報酬型 |
| 5KW × 30日 | 20万円 | 20万円 | 同額(分岐点) |
| 対象を8KWへ拡大し30日達成 | 29万円 | 20万円 | 月額固定型 |
この条件では、5キーワードが月を通じて達成した時点で同額になります。対象キーワードを増やせば、成果報酬型のほうが高くなります。自社の想定達成率が分岐点より上にあるなら、月額固定型を選ぶ判断に合理性があります。
料金以外の3軸でも生じる差
| 軸 | 成果報酬型の傾向 | 月額固定型の傾向 | 確認すべき点 |
|---|---|---|---|
| 施策の柔軟性 | 成果条件に直結する施策へ寄りやすい | 優先順位を期中に変えられる | 変更手続きの有無 |
| 社内の実装負担 | 提案のみの契約では大きく残る | 契約次第 | 工程別の担当範囲 |
| 資産性 | 契約次第 | 契約次第 | 著作権とアカウント名義 |
3軸のうち資産性は、方式ではなく契約条項で決まります。方式を選ぶ段階では傾向として押さえ、契約書で個別に押さえておくことが有効です。とくに社内に残る作業量は、工程別の担当範囲によって大きく変わります。提案までを対象とした契約であれば、実装は自社の作業として残ることになります。
上限額の設定は比較の前提
上限額のない成果報酬型と定額の月額固定型を比べる場合、上限がない側のリスクを金額で表現できません。したがって、比較の前に上限額の設定を交渉に含めることをおすすめします。上限があれば最大月額が確定し、初年度総額も計算できます。
向き不向きを決めるのは課題の範囲と社内体制

業種や企業規模ではなく、課題の範囲と社内の体制で決まります。次の条件に照らしてください。
成果報酬型が合う状況
- 改善したい対象キーワードとページを限定できる
- 達成を判定できる数値を置ける
- 最大月額を試算して稟議で通せる
- 社内で実装と承認を回せる
- 施策内容の開示を求められる体制がある
月額固定型が合う状況
- サイト全体の課題が未整理で対象を絞れない
- 何が課題かを探りながら進めたい
- 予算を毎月一定にしたい
- 実装を含めて任せたい
- 期中に優先順位を変える可能性が高い
左右のどちらにも当てはまる項目がある場合は、後述するハイブリッド型を検討する余地があります。
社内体制の判断基準は人数ではなく決められるか
社内の実装体制という条件は、専任の担当者がいるかどうかだけを指すものではありません。提案を受けたときに社内で判断して承認まで進められるか、記事の内容を確認して修正指示を出せるか、CMSへの反映を誰かが実行できるかという実務の話です。担当者が1名の兼任であっても、この3つが回るなら体制はあると判断できます。逆に専任者がいても、承認の階層が多く判断に数週間かかる組織では、成果報酬型の期間内に施策が進まない場合があります。人数ではなく、決めて動けるかどうかでご判断ください。
2軸で整理して見える自社の位置
判断に迷う場合は、対象範囲の明確さと社内の実装体制という2軸で自社の位置をご確認ください。対象が明確で実装体制もある場合は、成果報酬型で条件を固定する選択が機能します。対象が明確でも実装体制がない場合は、実装を含む月額固定型か、実装込みの成果報酬型を探すことになります。対象が不明確で実装体制がある場合は、月額固定型で探りながら進め、対象が固まった段階で方式を見直す形が取れます。両方が揃っていない場合は、次に述べるとおり方式の選定より前の段階にあります。
どちらも当てはまらない場合は対象の絞り込みが先
左の条件が揃っておらず、かつ毎月の定額支出も避けたいという状況では、どちらの方式も適合しません。この場合は方式を選ぶより、現状の診断と対象の絞り込みを単発で依頼するほうが早くなります。対象が見えてから方式を選べば、成果条件も設計できます。方式を先に決めて課題を後から合わせようとすると、どちらを選んでも噛み合いません。依頼先の候補は対応している会社の比較で扱っています。
ハイブリッド型の線引きと、方式選定の5ステップ
2択で説明されることが多い2つの方式ですが、実務では組み合わせた契約も存在します。固定費で一定の業務を担い、成果連動部分を上乗せする形です。
| 区分 | 担う業務の例 | 確認すべき点 |
|---|---|---|
| 固定費部分 | 調査・戦略・レポート・定例会 | 成果が出ない月にも実施されるか |
| 固定費部分 | 記事制作・内部改善の実装 | 本数や作業量の上限 |
| 成果連動部分 | 対象キーワードの順位達成 | 固定費部分の作業と重複しないか |
| 成果連動部分 | 有効な問い合わせの発生 | 承認条件と却下の基準 |
表の3行目が要点です。固定費で記事制作を担い、その記事が上位表示されたときに成果報酬も発生する契約では、同じ作業に対して二重に支払う形になり得ます。どこまでが固定費の対価で、何に対して成果報酬を払うのかを明文化してください。
ハイブリッド型が向くのは対象が段階的に広がる場合
ハイブリッド型が機能しやすいのは、まず一部のテーマで成果を確認し、そこから対象を広げていく進め方をとる場合です。固定費で調査と戦略設計を担い、成果連動部分を対象テーマに限定しておけば、対象を広げる際に成果条件だけを追加できます。逆に、サイト全体の課題が未整理な段階でハイブリッド型を選ぶと、固定費部分の業務範囲が曖昧になりやすくなります。組み合わせる場合も、まず対象をどこまで絞れているかが前提になる点は変わりません。
固定費部分の業務が実施される保証
ハイブリッド型で確認すべきもう1点は、固定費部分の業務が成果の有無にかかわらず実施されるかどうかです。固定費を払っているにもかかわらず、成果が見込みにくい月に作業が止まっていれば、固定費の対価が提供されていない状態になります。固定費で担う業務を月次のレポートで確認できる形にしておくと、この状態を検知できます。レポートの項目に、実施した作業と次月の予定を含めてもらうよう依頼してください。作業記録が残れば、契約の見直しを申し入れる際の根拠にもなります。
方式の選定は課題の確定から始める
方式を決めるまでの手順は、自社の課題の範囲を確定させることから始まります。対象が絞れているか、社内で担える工程があるかを先に洗い出し、そのうえで方式の候補を絞り、最大月額と初年度総額を同じ条件で並べます。順序を逆にして見積から集めると、各社が異なる条件で回答するため比較になりません。候補会社の絞り込み手順は料金と支援範囲で比べる成果報酬型SEO会社14選で扱っています。
費用対効果は順位単価ではなく粗利から逆算

月10万円という金額が高いのか安いのかは、金額だけでは判断できません。自社の粗利から逆算すると、判断できる形に変わります。
| 求めるもの | 計算式 | 注意点 |
|---|---|---|
| 必要受注数 | SEO総費用 ÷ 1受注あたり粗利 | 総費用には初期費用と固定費を含める |
| 必要問い合わせ数 | 必要受注数 ÷ 受注率 | 受注率は自社の実績値を使う |
| 許容SEO費用 | 想定受注数 × 1受注あたり粗利 × 許容投下比率 | 粗利の全額を上限にしない |
3つ目の式にある許容投下比率は、粗利のうち何割までをSEOに投じるかという自社の方針です。粗利の全額を上限に設定すると、成果が出ても利益が残らない計算になります。先に比率を決めておけば、見積金額が方針の範囲内かどうかを即座に判断できます。
回収期間の試算
SEOの成果は契約初月には現れません。初期費用と固定費を先に支払い、成果が出てから回収が始まる構造です。初期費用と成果が出るまでの固定費の合計を、月あたりの期待粗利で割ると、回収に必要な月数が出ます。この月数が契約期間を超える場合、契約期間内に採算が合わない計算になります。
見積もりは同じ条件へ揃えてから比較
相見積もりを取る際は、対象キーワード、対象URL、成果順位、計測条件、支援範囲の5点を自社側で先に確定させ、同じ条件で見積を依頼するのが確実です。条件を各社に任せると、達成しやすいキーワードを選んだ会社の見積が安く見えます。比較表には、初期費用、固定費、成果単価、最低月額、最大月額、初年度総額、制作、実装、外部施策、契約期間の10項目を並べてください。最安値順に並べる必要はありません。
成果報酬型SEOの料金に関するよくある質問
見積もりを検討する段階で受けやすい質問へ、条件を添えて簡潔にお答えします。記事単位で成果報酬型を試す場合の条件は、成果報酬型SEO記事リライトの専用ページにまとめています。
A. 契約によります。初期費用、月額基本料、最低料金、記事制作費、保証金が別に設定されている契約では、成果ゼロの月にも請求が発生します。見積書の全費目について、成果ゼロの月の合計額を計算してご確認ください。
A. 本記事では金額の掲載を見送っています。単価が対象キーワードの難易度と成果条件で変わるうえ、金額を示す情報源の多くが調査主体ではない二次情報にあたるためです。単価を比べるより、提示された条件で最大月額を計算する方法をおすすめします。
A. 同じ理由で金額は掲載していません。確認すべきは金額の水準ではなく、初期費用に何の作業が含まれるか、解約時に返金されるかの2点です。
A. 日次判定の契約では課金対象になり得ます。1日単位で課金するのか、連続日数を条件にするのかは契約ごとに異なるため、判定方法と判定頻度をあわせてご確認ください。
A. 会社と契約によります。上限がキーワード単位なのか契約全体なのかで、最大請求額が大きく違ってきます。上限の設定がない契約では、成果が出た月に予算を超える場合があります。
A. 契約によります。制作、入稿、実装を別の費目として分け、それぞれの単価と回数の上限をご確認ください。
A. 対象キーワード数と単価によりますが、達成率がある水準を超えると月額固定型のほうが総額を抑えられます。その分岐点を試算してからご判断ください。
A. 月額固定型のほうが適合しやすくなります。サイト構造やCV導線の改善は順位の成果条件に直結しないため、成果報酬型では支援範囲から外れる場合があります。
A. 契約次第です。契約期間の途中で変更する場合は、既存契約の解約条件と新契約の開始条件の記載を求めてください。自動更新のタイミングで切り替える形が現実的です。
A. 固定費と成果報酬を組み合わせるハイブリッド型があります。組み合わせる場合は、固定費部分の業務と成果連動部分の対象が重複しない形にしてください。
A. 対象を絞る方法として有効です。記事単位の改善は対象範囲が異なるサービスになるため、条件はこの章の冒頭で案内している専用ページでご確認ください。
判断材料は相場の平均額ではなく最大月額と支援範囲
成果報酬型SEOの料金を判断するうえでの要点は、次の4つに集約されます。
- 成果報酬型SEOに単一の平均相場は存在せず、成果条件と対象キーワード数で総額が変わる
- 比較すべきは表示単価ではなく、最大月額と初年度総額である
- 順位の達成と事業成果は別の指標であり、費用対効果は粗利から逆算して判断する
- 月額固定型との比較は最小月額ではなく最大月額と初年度総額で行い、分岐点を試算する
見積依頼の前にすべきことは、複数社へ問い合わせることではありません。対象キーワード、成果順位、計測条件、支援範囲の4点を自社で決めておくことです。この4点が固まっていれば、どの会社の見積も同じ条件で並べられます。逆に条件を各社に委ねると、達成しやすい条件を選んだ提案が安く見え、金額の比較になりません。
なお、見積書の金額は対象が決まって初めて意味を持ちます。どのキーワードでどのページを改善するのかが定まらないうちは、相見積もりを取るより先に、現状の把握と優先順位づけを済ませることをおすすめします。すでに改善対象の記事が決まっているのであれば、その1本から成果報酬型を試す進め方もあります。