Googleコアアップデートは、検索結果の順位を決める評価システムを広範に見直す定期更新です。掲載順位が下がったからといって、直ちに自社サイトに違反行為や重大な欠陥があったとは限りません。記事に一切手を加えていなくても、検索意図の解釈や他社サイトとの相対的な力関係が再調整されれば順位は変動します。
2026年9月時点で、通常のウェブ検索向けに展開された直近のコアアップデートは「May 2026 core update」です。直近の8月に実施された更新はスパムアップデートであり、評価対象も対処方針もまったく異なります。
順位の急変に直面したときは、展開された更新の種類と期間を特定し、影響を受けたURL・流入検索語・指標の動きを切り分けてから、具体的な改善計画を立てましょう。 過去の更新履歴を精査すると、短いスパンで連続実施された事例や、複数の更新が同時並行で重なった時期も存在します。公式発表の名称だけに惑わされず、更新の対象と完了日を正しく把握することが、誤ったリライトで傷口を広げないための第一歩となります。
| 現在観測されている状態 | 最初に確認すべき初動対応 |
|---|---|
| コア更新がロールアウト中 | 完了のアナウンスを待ち自社変更を控える |
| 更新完了から1週間以内 | 慌てて改修せずSearch Consoleの動向を監視 |
| 特定URLのみ掲載順位が低下 | 下落した検索語の意図と競合ページの差分を調査 |
| サイト全体のアクセス急落 | サーバー応答・インデックス状態・タグ設定を確認 |
| 順位は維持されているが流入減 | クリック率(CTR)の低下や検索需要の縮小を疑う |
| 手動による対策の警告を受信 | Search Consoleの通知内容に従い違反箇所を是正 |
Googleコアアップデートとは?順位が変わる仕組み
Googleは、検索アルゴリズムおよび主要なランキングシステムに対して定期的に加える広範囲な改訂を「コアアップデート」と呼んでいます。これは特定のサイトやページにペナルティを科すための仕組みではなく、検索ユーザーにとって真に役立つ高品質な情報をより適切に上位へ届けるための品質評価プロセスの更新です。

例えば「業務効率化ツール」というクエリにおいて、ツールの機能一覧を網羅した解説記事を求めているのか、自社の規模に合わせた導入価格や選定基準を求めているのか、検索意図の重み付けは時代とともに変化します。検索アルゴリズムが評価する基準が変われば、自社が記事を一切書き換えていなくても表示順位は変動します。また、競合サイトがより具体的な比較検証や実測データを追加した場合も、相対的な評価の差によって順位が押し下げられます。
つまり、「自社サイトに違反や過失があったか」と「現在の検索環境において以前と同じ上位に位置づけられるか」は別次元の論点です。ただし、順位下落を単なるアルゴリズムの気まぐれとして放置するのも危険であり、検索意図との乖離や情報の鮮度落ち、技術的な問題がないかを客観的に精査する必要があります。
コアアップデートは毎日の更新すべてを指す言葉ではない
Google検索では、大規模なコアアップデート以外にも、日々数千件規模の細かなアルゴリズム改善や実験が行われています。公式発表のない平穏な日であっても検索システムは稼働し続けているため、「発表がないから順位変動の原因は自社側にある」とは言い切れません。
一方で、外部の順位観測ツールが大きな変動数値を記録したからといって、未公表のコアアップデートが発動したと断定するのも早計です。公式にアナウンスされた大規模更新と、日々の日常的な変動を混同せず切り分けて観察しましょう。
全ページが同じように上がる・下がるとは限らない
Googleのランキングシステムは、個別のページ単位での評価シグナルに加え、ドメイン全体に蓄積された信頼性シグナルも同時に参照しています。そのため、同じサイト内であっても、実務的な価格を提示したサービス案内ページは順位を維持し、一般論をまとめただけの用語解説ブログだけが急落するケースも珍しくありません。サイト全体の平均掲載順位の推移だけを眺めていても、何が評価され、何が不足していたのかの実態は見えてきません。
2026年の最新コアアップデートと更新履歴
2026年に通常のウェブ検索を対象として公表されたコアアップデートは、3月と5月の計2回です。直近の「May 2026 core update」は、米国太平洋時間(PT)の5月21日に展開が開始され、6月2日にロールアウトが完了しました。
一方、その後に実施された6月および8月のアップデートは、検索スパムを検出・無力化するための「スパムアップデート」であり、コンテンツの品質を評価し直すコアアップデートとは性質が根本から異なります。8月にアクセスが落ちたからといって、5月のコアアップデート対策として記事の全面改稿を始めるのは、原因の取り違えによる誤った初動となります。
| 更新プログラム名 | 展開開始日 | 展開完了日・所要期間 | 更新の種類 |
|---|---|---|---|
| August 2026 spam update | 8月18日 | 完了・約2日16時間 | スパム対策 |
| June 2026 spam update | 6月24日 | 6月26日 | スパム対策 |
| May 2026 core update | 5月21日 | 6月2日 | 広範なコア更新 |
| March 2026 core update | 3月27日 | 4月8日 | 広範なコア更新 |
| March 2026 spam update | 3月24日 | 3月25日 | スパム対策 |
| February 2026 Discover update | 2月5日 | 2月27日 | Discover専用 |
日本時間と米国太平洋時間を混ぜない
Googleの公式ステータスダッシュボードに記録されている日時は、すべて米国太平洋時間(夏時間はPDT:UTC-7、冬時間はPST:UTC-8)基準です。例えば、May 2026 core updateの開始日時は米国時間で5月21日午前8時40分ですが、日本標準時(JST:UTC+9)に換算すると5月22日午前0時40分となります。国内の解説メディアで「5月22日開始」と記載されていても、情報が食い違っているわけではありません。
アクセスログやSearch Consoleの日次データを検証する際は、集計のタイムゾーンを統一してください。日付のズレを意識していないと、実際の変動開始日と自社の作業日を誤認し、関係のない変更を原因と見誤ることになります。
2月のDiscover更新は、検索順位と分けて見る
2026年2月に実施された「February 2026 Discover update」は、Google Discoverのおすすめフィードに記事を表示するシステムを対象とした更新です。Google Discoverは検索窓にキーワードを入力して訪れる通常のオーガニック検索とは異なり、ユーザーの興味関心に合わせて受動的に記事をレコメンドする別枠の流入経路です。
検索キーワード経由のクリック数が安定しているにもかかわらずDiscover経由の数値だけが急減した場合は、通常のSEO順位低下とは切り離して調査を進める必要があります。
出典:Google Search Status Dashboard『All incidents reported for Ranking』(2026年9月13日確認)
コア・スパム・手動対策・技術障害を切り分ける
コアアップデートの時期にトラフィックが急減したからといって、そのすべてがコアアップデートによるものとは限りません。下落の原因を次の4つの区分に照らし合わせて切り分けることで、記事の品質を見直すべきか、システムや設定の不具合を解消すべきかが明確になります。
| 原因の分類 | 何が起きているか | 最初に行うべき確認事項 |
|---|---|---|
| コアアップデート | 検索品質基準の広範な再評価 | 展開期間と主要URL・クエリ別の変動 |
| スパムアップデート | 不正手法の検知アルゴリズム改訂 | ポリシー抵触の有無と更新日程の照合 |
| 手動による対策 | 担当者による規約違反への個別措置 | Search Consoleのセキュリティと手動対策 |
| 技術・計測障害 | サーバーエラー・noindex・タグ停止 | URL検査ツールの結果と直近の改修履歴 |
手動対策の通知があれば、その内容へ対応する
手動対策(ペナルティ)が適用されている場合は、Search Consoleの「セキュリティと手動による対策」メニューに明確な警告通知と対象範囲が明記されます。これはGoogleの審査担当者がサイトを確認し、ウェブマスター向けスパムポリシーに違反していると判定した際の個別措置です。通知内の指示に従って違反箇所を完全に是正し、再審査リクエストを送信しなければ順位は回復しません。
なお、通知が届いていない事実は「コアアップデートによる下落である」という証明にはなりません。アルゴリズムによる自動化されたスパム検知や、自社サーバーの応答遅延などの技術的障害も依然として原因候補に残るためです。
出典:Google 検索セントラル『Google 検索のスパム アップデートとお客様のサイト』(2026年9月13日確認)
サイト全体の急落では、計測停止や誤設定も調べる
Googleアナリティクス(GA4)のセッション数だけが急落し、Search Consoleのクリック数が普段どおり推移している場合は、検索順位の低下ではなくアクセス解析タグの脱落やトラッキング設定の誤作動を疑います。逆に両方のツールで同時にトラフィックが消滅しているなら、サイトの広範囲に技術的な事故が発生していないか以下の順序で点検してください。
計測ツール間の差異を検証
GA4とSearch Console流入経路や集計期間をそろえて比較し、解析タグのみの計測異常でないかを確認します。
重要ページの技術状態を確認
ブラウザ表示とURL検査代表的なページを実機で開き、意図しないnoindexタグやリダイレクトのループがないかを調べます。
公式通知とインデックスを点検
手動対策とカバレッジ手動対策の警告、セキュリティの問題、サーバーエラー(5xx)の急増がないかを確認します。
自社の作業履歴と重ね合わせる
デプロイ・改修の記録テーマ変更、URL構造の刷新、プラグイン更新の日時と下落開始日時を照合します。
アクセス急落時の詳細な切り分け手順は、サイトのアクセス・検索順位が急に下がった原因でも詳しく解説しています。
出典:Google 検索セントラル『Google 検索トラフィックの減少をデバッグする』(2026年9月13日確認)
影響確認は、完了後に比較期間と検索条件をそろえる
コアアップデートの展開期間(ロールアウト期間)はおおむね1週間から数週間に及びます。この展開途上ではランキングの再計算が段階的に行われるため、初日に順位が落ちたページが数日後に持ち直したり、その逆の動きを見せたりと激しい揺らぎが発生します。
Google公式ガイドでも、ロールアウト完了のアナウンスが出るのを待ち、さらにシステムの変動が落ち着くまで少なくとも1週間程度経過してからデータを検証する手順が推奨されています。展開途中の不安定なデータに基づいて拙速なリライトを行うと、本来問題のなかったページまで破壊してしまうリスクがあります。

Search Consoleで比較する条件の例
検索パフォーマンスを比較する際は、まず検索タイプを「ウェブ」に設定し、更新前の安定していた1週間と、更新完了後に1週間以上経過した「同じ曜日の7日間」を指定して比較します。国内向けのビジネスであれば対象国を「日本」に固定し、ノイズとなる海外からのアクセスを除外してください。
| 設定項目 | 推奨される比較条件 | 設定をそろえる理由 |
|---|---|---|
| 検索タイプ | 「ウェブ」に固定 | 画像検索やニュース検索のブレを排除 |
| 比較期間 | 更新前の7日間と完了後の7日間 | 展開途中の乱高下期間を挟まずに比較 |
| 曜日構成 | 同じ曜日同士(例:木〜水) | 週末や平日のアクセス格差による誤認防止 |
| 地域・国 | 「日本」に限定 | 海外からのボットや無関係なトラフィックを遮断 |
| デバイス | モバイルとPCを個別に分析 | 端末固有の表示崩れや意図の違いを切り分け |
| 分析単位 | URLおよび主要クエリ単位 | サイト全体の平均値による実態のマスキングを防止 |
例えばMay 2026 core update(5月21日開始・6月2日完了)の影響を検証する場合、更新前の期間として「5月14日(木)〜5月20日(水)」、更新後の期間として完了から1週間以上空けた「6月11日(木)〜6月17日(水)」を比較する方法が考えられます。
ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの大型連休やセール期間が片方の期間に重なっている場合は、季節要因による需要の急減をコアアップデートの影響と見誤らないよう注意が必要です。
もともとアクセスの母数が少ない小規模サイトの場合、7日間の比較では数回のクリックの差が数十%の変動として過大に見えてしまいます。その際は比較期間を28日間に広げ、長期的なトレンドの中で変化を見極めましょう。
クリック数・表示回数・CTR・順位を別々に読む
「検索流入が減った」という現象を、すべて掲載順位の下落として片付けてはいけません。Search Consoleの主要な4指標を組み合わせて読むことで、真のボトルネックが浮き彫りになります。
| 4指標の変化パターン | 背景にある要因の仮説 | 優先して調査すべき内容 |
|---|---|---|
| 順位低下+クリック減少 | 競合コンテンツの相対的台頭 | 検索意図への合致度・網羅性・具体性の再検証 |
| 順位維持+表示回数減少 | 検索市場全体の関心低下 | 季節要因やトレンドの変化、市場需要の縮小 |
| 順位維持+CTR急減 | 検索結果面での視認性悪化 | AI Overviewsの露出、タイトルの訴求力低下 |
| GSC正常+GA4のみ減少 | トラッキングタグの動作不良 | アクセス解析のタグ設定やCookie同意機能の不備 |
| モバイルのみ順位下落 | モバイル表示のユーザビリティ | スマホ実機での表示速度やレイアウト崩れ |
更新完了後のデータ確定を待つべき状態
- 展開中の順位乱高下にとどまっている
- 主要ページの表示やインデックスに異常がない
- 手動対策やセキュリティの警告通知がない
完了を待たずに即座に対処すべき状態
- サイト全体や重要ページが正常に表示されない
- 誤ったnoindexやリダイレクトミスを発見した
- 手動対策のペナルティやマルウェア感染が確認された
出典:Google 検索セントラル『Google 検索のコア アップデートとウェブサイト』(2026年9月13日確認)
大きく下がったページから調べ、共通の問題を見直す
比較条件をそろえて客観的なデータを抽出できたら、クリック数の減少幅が最も大きいページ群から優先して分析を開始します。ただし、「順位の落ちた3〜4記事だけを部分修正すれば元に戻る」と安易に捉えてはいけません。評価低下の要因が、サイト全体で使い回している共通テンプレートや、編集部全体の執筆方針に潜んでいるケースが多いためです。

影響度の大きいページ群を特定
事業への打撃度で選定単なる下落率だけでなく、喪失したクリック実数と売上貢献度から優先度を決定します。
クエリの検索意図のズレを特定
失われたニーズの分析流入が途絶えたクエリを調べ、現在の検索者が求めている具体的な解決策との差異を抽出します。
個別記事とサイト共通構造を精査
本文とテンプレートの点検記事固有の記述不足なのか、著者情報の欠如や広告の多さなどサイト共通の課題かを切り分けます。
実質的な付加価値を追加
読者の意思決定支援単なる文字の水増しを排し、実務の比較基準、自社独自の検証データ、料金条件を補強します。
変更内容を記録して定点観測
台帳の作成と効果検証改修前のバックアップを保持し、修正したページと未修正のページを並行して追跡します。
文字数より、読者が判断できないことを探す
「上位サイトの平均文字数が8,000文字だから、自社も文字数を増やそう」という発想は、コアアップデート対策において最も陥りやすい失敗例です。文字数が膨大であっても、読者が比較・検討・行動するために必要な情報が欠けていれば評価されません。逆に、簡潔であっても迷いを即座に解消できる記事は高い評価を得られます。
料金を扱う記事であれば、単に「相場は月額30万円」と書くだけでなく、どのような条件でオプション費用が発生するのか、初期費用に含まれる範囲はどこまでかが示されていなければ、読者は自社の予算に合うか判断できません。ツールの手順記事であれば、マニュアルどおりに進まなかった際のトラブルシューティングや切り戻し手順が欠落していないかを点検します。
| 記事のテーマ分類 | 読者がつまずいている情報不足 | 本文へ補強すべき具体的な成果物 |
|---|---|---|
| 料金・費用相場 | 見積額が変動する諸条件の不明瞭さ | 標準の提供範囲と追加費用の発生分岐モデル |
| おすすめ・比較 | 自社の状況に合う選択肢が不明 | 対象規模・用途・予算別の選び分け判断表 |
| 設定・操作手順 | エラー発生時のリカバリー手段の不足 | 事前確認リストと失敗時のバックアップ手順 |
| サービス導入事例 | 成功の裏にある前提条件の省略 | 対象業務・導入期間・投入リソースと実測値 |
| 制度・公式仕様 | 最新レギュレーションとの乖離 | 制度改定の施行日および公式発表元の明示 |
経験・専門性は、肩書を足すだけでなく本文で示す
実務を通じて得られた独自の計測データ、試行錯誤した工程、失敗した現場の条件、推奨しない理由が手元にあるなら、惜しみなく本文に盛り込んでください。記事末尾に専門家の肩書や監修者プロフィールを形式的に貼り付けるだけでは、コンテンツそのものの具体性や信頼性が高まるわけではありません。
一次情報を持たない二次解説記事であれば、他人の体験談を自社の実績のように偽装するのではなく、公的機関や公式仕様の一次資料を正確に引用したうえで、客観的な条件分岐として論理を組み立てましょう。
出典:Google 検索セントラル『有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成』(2026年9月13日確認)
変更ページと未変更ページの比較は、原因を絞るために使う
コアアップデートの直前に自社でリライトを実施していた場合は、改修を加えたページだけがピンポイントで下落したのか、改修していないページも一律に下落したのかを比較します。もし改修を加えたページだけに急落が集中しているなら、前回の修正で削ってしまった有用な情報や、改変したタイトルタグが裏目に出ている可能性が高まります。
ただし、ページごとに競合環境も検索意図も異なるため、この比較だけで因果関係を100%特定できるわけではありません。あくまで調査の優先順位を絞り込むための手がかりとして活用してください。
コアアップデート中に避けたい変更と、続けてよい運用
順位が乱高下している最中に、焦りから見出し構造、本文、URL設定、メタデータを一斉に変更してしまうと、アルゴリズム側の変動による影響なのか自社の改修による影響なのかが完全に判別不能になります。重要なのは、施策の「作業量」を誇ることではなく、「どの課題を解決するために変更したのか」を論理的に説明できることです。
下落原因が未特定の段階で絶対に避けたい対応
- 順位が下がったという理由だけで全記事を一括リライトする
- 順位の低いページを精査もせず機械的に大量削除する
- 年号の更新や文字数の水増しなど形式的な手直しで済ませる
- canonicalタグやnoindexディレクティブを場当たり的に書き換える
- 生成AIに丸投げして全記事を一括で再生成し固有情報を捨てる
- 記事本文・URLスラッグ・サイト構造を同時に大幅刷新する
小幅な順位低下で、良かった部分まで壊さない
例えば、検索順位が2位から4位へ後退した場合と、4位から30位圏外へ転落した場合とでは、求められる対応の深さがまったく異なります。2位から4位への後退であれば、検索意図の解釈がわずかに変化したか、競合が魅力的な導入事例を追加したことによる相対的な差であるケースが多く、全面的な書き直しは必要ありません。
慌てて大幅な改稿を行うと、これまでユーザーに評価されていた分かりやすい導入文や独自の実測データまで削ぎ落としてしまい、さらに順位を落とす結果になりかねません。まずは検索結果画面(SERP)を直接目視し、上位に上がってきたページが何を提示しているかを観察してください。
通常の公開・事実の訂正まで止める必要はない
コアアップデートのロールアウト中だからといって、計画していた新規記事の公開や、既存記事内の誤植修正、法改正に伴う事実情報の更新までストップさせる必要はありません。古い料金プランや提供終了したサービスの情報をそのまま放置していれば、その間サイトを訪れたユーザーに不利益を与え続けることになります。
順位を強引に戻そうとする場当たり的な大改修と、ユーザーのために必要な定期メンテナンスは明確に区別しましょう。必要な修正は通常どおり実施し、変更したURL、実施日時、修正内容を管理台帳に淡々と記録していく運用が正解です。
削除は最後に考え、維持・更新・統合を先に検討する
検索流入が減った記事であっても、既存顧客へのサポート用マニュアルとして機能していたり、他の重要記事から参照される補足資料として不可欠だったりと、サイト全体の中で重要な役割を担っている場合があります。検索エンジンからの流入が少ないことだけを理由に安易に削除してしまうと、コンバージョンへの導線や外部からの貴重な被リンク資産まで喪失することになります。

| 採用すべき選択肢 | 該当するページの典型的な状態 | 事前に必ず確認すべき前提条件 |
|---|---|---|
| 現状のまま維持 | 内容の品質が高く役割が明確 | 最新の検索意図との整合性と社内利用の実態 |
| 加筆・情報更新 | テーマの需要はあるが情報が陳腐化 | 最新データ・事例・実務手順の不足箇所の特定 |
| 他記事への統合 | 同一意図の類似記事が複数存在 | 残すURLの選定と固有情報の引き継ぎ |
| noindexの付与 | サイト内には必要だが検索流入は不要 | インデックスから除外しても問題ない根拠 |
| ページの完全削除 | 役目を終え更新も統合も困難 | 代替ページの有無・被リンク・301転送設定 |
統合しても、元の記事にしかない情報を落とさない
類似した検索意図を扱う2つの記事を1つに統合する場合、アクセスの多い方の記事へ単に301リダイレクトを設定して終わらせてはいけません。古い記事にしか掲載されていなかった具体的な失敗談、詳細な設定手順のキャプチャ画像、読者から寄せられたQ&Aなどを丁寧に抽出し、統合先の記事へと移植してください。
リダイレクト先を設定する際も、ユーザーが求めていた疑問に適切に答えられる関連性の高いページを選定します。関係のないトップページへ機械的に一括転送する手法は、ユーザービリティを著しく損ねるため厳禁です。
削除・noindex・URL変更の前に、戻せる状態を作る
ページの削除やnoindexタグの追加、URLの恒久的な変更は、本文の加筆修正とは比較にならないほどサイト構造に大きな影響を及ぼします。作業を行う前に、必ず以前の状態へ即座に復元できるバックアップ体制を整えてください。
URL変更・削除を実施する前の安全確認チェックリスト
- 記事本文のテキスト、使用画像、メタデータの完全なバックアップを保管した
- 検索経由の流入だけでなく、営業資料や社内参照、メルマガ等での利用実態を確認した
- サイト内からの内部リンクおよび外部サイトからの被リンク状況を確認した
- 削除・統合に伴う301リダイレクト先のURLを1対1でマッピングした
- 変更後に正常なHTTPステータスコード(404または301)が返るか検証する手順を決めた
- 施策が裏目に出た場合に、元の記事とURL設定を迅速に復旧させる手段を確保した
回復時期は保証できないため、変更履歴を残して検証する
コンテンツやサイト構造を改善したとしても、それが即座に検索順位の回復へ反映されるとは限りません。検索エンジンが再クロールを行い、サイト全体の品質シグナルを再計算するまでには、数週間から場合によっては数ヶ月単位の時間を要することがあります。また、再評価の契機は次の大規模なコアアップデートだけでなく、日々の微細なシステム改訂の過程でも訪れます。
だからといって、毎週のように内容を二転三転させていては、どの施策が有効だったのかを評価できなくなります。「何が問題で、何をどう改修し、どの指標をもって成否を判断するか」をあらかじめ決定し、一定の観測期間を設けて腰を据えて検証することが重要です。
5ページを修正する場合の記録例
自社サイトの主要な5ページを改修する場合、以下のような管理フォーマットを作成して作業内容を記録に残します。
| 管理項目 | 具体的な記入内容のモデルケース |
|---|---|
| 対象ページのURL | 料金解説ページ(例:/service-cost/) |
| 改修実施日 | 2026年9月10日 |
| 事前の課題仮説 | 追加費用の発生条件が書かれておらず比較検討できない |
| 実施した改修内容 | 基本プランの標準範囲とオプション分岐条件の比較表を追加 |
| 保全した要素 | URLスラッグ・既存の図解画像・内部リンク構造 |
| 再検証の予定時期 | 改修から約1ヶ月後の10月中旬に同一曜日で比較 |
| 追跡する評価指標 | ターゲットクエリのクリック数・表示回数・CTR |
| 事業成果への影響 | 資料請求フォームへの遷移数および有効問い合わせ数 |
変化がないときも、追加作業の前に仮説を見直す
改修から一定期間が経過しても順位に好転が見られない場合は、焦って文章をさらに書き足す前に、最初に立てた改善仮説そのものを再点検してください。上位陣との差別化要因を見誤っていたのか、サイト全体の内部リンクや階層構造に問題があるのか、あるいは単に市場の検索需要そのものが減少していたのか、別の要因を幅広く洗い出します。
更新日時の日付だけを最新に書き換えたり、中身の伴わない文章を水増ししたりする不誠実な作業に逃げてはいけません。技術的な明らかな欠陥を除き、検証結果が出る前にページの内容を短期間で何度も改変するのは避けましょう。
平時から残しておきたいデータと運用記録
コアアップデートが実施された際に慌てず冷静に対処できる企業は、例外なく「平常時の健全な運用データ」をしっかりと記録・保持しています。順位が急落した日の直前に社内でどのような技術変更や記事改修を行ったかが把握できていれば、外部要因なのか内部要因なのかの切り分けは格段に容易になります。
平時から社内で管理・蓄積すべき4大運用資産
- 主力ページが狙っているターゲットキーワードと検索意図の対応表
- 記事本文の改修、サイト構造の変更、CMSプラグインの更新履歴ログ
- 比較検証の基準となるSearch ConsoleおよびGA4の過去のエクスポートデータ
- 料金体系、サービス仕様、導入事例の定期的な見直し体制と更新担当者のアサイン
サイト内の全記事を毎日監視する必要はありません。問い合わせや売上に直結している主力ページを20〜30ページ程度選定し、情報が陳腐化していないかを定期的に点検する体制を構築してください。実務情報が更新された際に誰がWebサイトへ反映するかが決まっていれば、アップデート後に古い情報を慌てて探し回る事態を防げます。
日頃から実践すべきコンテンツの品質管理手順については、コンテンツSEOの進め方と成功条件で体系的に解説しています。
コアアップデートに関するよくある質問
A. 2026年9月13日時点で、通常のウェブ検索向けに展開された直近のコア更新は「May 2026 core update」です。米国時間の5月21日に開始され、6月2日に完了しました。なお、直近の8月18日に開始された更新はスパムアップデートです。
A. 実施回数はあらかじめ固定されていません。公開履歴を振り返ると、2024年は4回、2025年は3回、2026年は9月13日までに2回実施されています。過去の周期から次回の日程を確定的に予測することは不可能です。
A. 必ずしもペナルティ(手動による対策)とは限りません。コアアップデートはサイト全体の相対的な評価を見直すものであり、規約違反への制裁とは異なります。Search Consoleの通知欄を確認し、警告がなければアルゴリズムによる再評価として分析を進めてください。
A. 頻繁にあります。Googleは公表を伴わない日常的な微小アップデートを継続的に行っているほか、競合サイトの改善やユーザーの検索需要の変化によっても順位は日々変動します。
A. 通常のコンテンツ公開や、掲載情報の誤り・陳腐化を訂正する作業を一律に停止する必要はありません。避けるべきなのは、順位の乱高下に動揺して全記事を一括で書き換えたり、大量の記事を削除したりするパニック対応です。
A. ロールアウト完了の公式アナウンスから、少なくとも1週間程度は間を置いてから比較分析を行うことが推奨されます。ただし、サイトの表示崩れやサーバーダウン、誤ったnoindex設定などの致命的な事故は待たずに即時修正してください。
A. 減少したアクセスの絶対数と、事業における売上貢献度が高い主力ページから着手します。下落した検索クエリの意図を再確認し、個別記事の不足を補うとともに、共通するテンプレートや執筆方針に問題が波及していないかも検証してください。
A. プロフィール欄を追加しただけで順位が自動的に回復することはありません。E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)は、本文に書かれている体験談の具体性、実測データの正確さ、明瞭な取引条件など、コンテンツ自体の品質を通じて評価されるものです。
A. AIを利用したこと自体を理由に順位が下落するわけではありません。評価を落とすのは、他サイトの情報を言い換えただけの付加価値のない記事や、事実確認を怠った不正確な記事です。現場の生きた情報や独自の検証結果が含まれているかが問われます。
A. 削除それ自体が魔法の回復策になるわけではありません。社内での案内やサイト内での回遊に役立っているなら、情報の更新や類似記事への統合を優先してください。安易な大量削除はサイトの資産を自ら傷つける結果になります。
A. 必ずしも次の大規模更新を待つ必要はありません。Googleのシステムは日常的にも再クロールと評価の更新を繰り返しています。ただし、大幅な評価の見直しがサイト全体に浸透するまでには、数ヶ月程度の時間を要するのが通例です。
A. トラフィックの下落が始まった日付、Search Consoleの比較データ、影響の大きい代表的なURLと検索クエリ、直近のサイト改修履歴、手動対策通知の有無を整理しておくとスムーズです。アカウントのログインパスワード等を不用意に渡す必要はありません。
歴代Googleコアアップデートの全履歴【2018〜2026年】
以下に、Googleが公式に事前告知または開始告知を行った、2018年以降の主要な広範コアアップデート計27回を時系列で網羅しています。なお、2026年2月に実施されたDiscover専用の更新は通常のウェブ検索とは評価対象が異なるため、本節の一覧からは除外して次節で扱います。
Googleが行っている数千件の細かな調整のすべてが公表されるわけではありません。ここに記載しているのは、公式に名称が付与され、影響範囲が広範に及ぶものとして発表された記録の全履歴です。
2026年:3月・5月の2回と、別系統のDiscover更新
| アップデート正式名称 | 展開期間(開始〜完了) | 公式アナウンスの要点と位置付け |
|---|---|---|
| May 2026 core update | 5月21日〜6月2日 | 2026年の第2回目。約12日間でロールアウト完了 |
| March 2026 core update | 3月27日〜4月8日 | 2026年の第1回目。スパム更新完了の直後に開始 |
March 2026 core updateは、直前に実施されていたMarch 2026 spam updateの完了直後に開始が告げられました。当初の見込みどおり約2週間の展開を経て4月8日に完了しています。3月下旬の順位変動を検証する際は、前半のスパムアップデートの影響なのか、後半のコアアップデートによるものなのかを厳密に期間で切り分ける必要があります。
May 2026 core updateは5月21日に開始され、6月2日に完了しました。2026年9月13日時点において、通常の検索ランキングを対象とした最新のコアアップデートはこれになります。いずれの回においても、個別のサイトに対する具体的な減点基準などは開示されていません。
2025年:3月・6月・12月に実施
| アップデート正式名称 | 展開期間(開始〜完了) | 公式アナウンスの要点と位置付け |
|---|---|---|
| December 2025 core update | 12月11日〜12月29日 | 年末商戦期に実施された第3回目。完了まで約18日間 |
| June 2025 core update | 6月30日〜7月17日 | 年央に実施された第2回目。月をまたいで展開 |
| March 2025 core update | 3月13日〜3月27日 | 2025年最初のコア更新。約14日間で完了 |
March 2025 core updateは3月13日から27日までの約2週間で完了しました。続くJune 2025 core updateは6月30日に開始され、7月17日まで展開が続きました。名称に「June」と付いていても実際の展開期間は7月後半まで及ぶため、月次のアクセス集計を行う際はカレンダー上の月単位で区切らないよう注意が必要です。
December 2025 core updateは12月11日から29日まで約18日間にわたって展開されました。6月および12月の事例から明らかなように、「コアアップデートは必ず2週間で完了する」という固定観念は通用しません。
2024年:有用性の評価方法が変わり、年4回の更新に
| アップデート正式名称 | 展開期間(開始〜完了) | 公式アナウンスの要点と位置付け |
|---|---|---|
| December 2024 core update | 12月12日〜12月18日 | 11月版完了からわずか1週間後に開始。約6日間で収束 |
| November 2024 core update | 11月11日〜12月5日 | 完了まで約24日間を要した長期ロールアウト |
| August 2024 core update | 8月15日〜9月3日 | 小規模・独立系サイトの評価改善を意図した更新 |
| March 2024 core update | 3月5日〜4月19日 | ヘルプフルコンテンツシステム等をコアへ全面統合 |
March 2024 core updateは、複数のコアシステムに対して同時に大幅な改修を加えた歴史的な転換点となりました。Googleは単一のシグナルに依存せず、多様な観点からコンテンツの有用性を総合判断する方針を示し、それまで独立して運用されていた「ヘルプフルコンテンツシステム」がこの更新を機にコアランキングシステムへと完全に統合されました。ロールアウト期間も約45日間に及ぶ異例の長期戦となっています。
出典:Google 検索セントラル『What web creators should know about our March 2024 core update and new spam policies』(2026年9月13日確認)
August 2024 core updateでは、前回の更新で過度な打撃を受けた小規模サイトや個人クリエイターからのフィードバックを反映し、高品質な独自性を持つサイトを適切に再評価する改善が施されました。ただし、これはすべての個人サイトの順位回復を無条件で保証するものではありません。
出典:Google 検索セントラル『What to know about our August 2024 core update』(2026年9月13日確認)
さらに同年の年末には、11月11日から12月5日まで続いたNovember 2024 core updateの完了からわずか1週間後の12月12日に、December 2024 core updateが開始されるという極めて密度の高いスケジュールで更新が実施されました。
2023年:3月・8月・10月・11月に実施
| アップデート正式名称 | 展開期間(開始〜完了) | 公式アナウンスの要点と位置付け |
|---|---|---|
| November 2023 core update | 11月2日〜11月28日 | 10月版とは異なる別のコアシステムを改修 |
| October 2023 core update | 10月5日〜10月19日 | October 2023 spam updateと期間が重複 |
| August 2023 core update | 8月22日〜9月7日 | 約16日間で展開完了 |
| March 2023 core update | 3月15日〜3月28日 | 2023年最初の広範コア更新 |
March 2023 core updateおよびAugust 2023 core updateは、標準的な約2週間の期間で展開されました。注意が必要なのは秋以降の動きです。October 2023 core updateの開始前日(10月4日)には大規模なスパムアップデートが開始されており、2つの異なるアルゴリズム改訂が同時並行で進行しました。この時期の順位変動は、どちらか一方だけの要因と断定することは不可能です。
続くNovember 2023 core updateについて、Googleは「10月のコアアップデートとは対象となる内部システムが異なるため、短いインターバルで実施した」と説明しています。また同月には商品レビューシステムの改訂も行われ、以後はレビュー評価を定期的かつ常時アップデートしていく運用方針へと移行しました。
出典:Google 検索セントラル『A Q&A on Google Search updates』(2026年9月13日確認)
2022年:5月・9月のコアと、別途始まった有用性の更新
| アップデート正式名称 | 展開期間(開始〜完了) | 公式アナウンスの要点と位置付け |
|---|---|---|
| September 2022 core update | 9月12日〜9月26日 | 商品レビューアップデートと一部期間が重複 |
| May 2022 core update | 5月25日〜6月9日 | 年央に実施された約15日間の更新 |
May 2022 core updateは5月25日から6月9日まで実施されました。September 2022 core updateは9月12日から26日までの期間で展開されましたが、その直前の8月25日には初代となる「Helpful Content Update」が開始され、コア展開中の9月20日には商品レビュー更新も重なっています。これらをすべて「9月のコアアップデート」と十把一絡げに処理してしまうと、自社のどのコンテンツが影響を受けたのかを見誤ります。
2021年:6月・7月の連続更新と11月の更新
| アップデート正式名称 | 展開期間(開始〜完了) | 公式アナウンスの要点と位置付け |
|---|---|---|
| November 2021 core update | 11月17日〜11月30日 | 年末商戦直前に実施された更新 |
| July 2021 core update | 7月1日〜7月12日 | 6月版の第2部として実施された更新 |
| June 2021 core update | 6月2日〜6月12日 | 2部構成の第1弾として展開 |
2021年夏の更新は、予定されていた改訂内容の一部が期日までに準備しきれなかったため、Googleは異例の「6月と7月の2回に分割して展開する」という形式を採用しました。6月に順位を落としたページが7月の展開で急回復するなど、2部作ならではの複雑な挙動を見せています。
2020年:1月・5月・12月の3回
| アップデート正式名称 | 展開期間(開始〜完了) | 公式アナウンスの要点と位置付け |
|---|---|---|
| December 2020 core update | 12月3日〜12月16日 | 5月版から約7ヶ月のブランクを経て実施 |
| May 2020 core update | 5月4日〜5月18日 | 世界的なパンデミック下で実施された更新 |
| January 2020 core update | 1月13日〜1月16日 | 短期間で集中的にロールアウト |
January 2020 core updateは1月13日に始まり、公式履歴上は1月16日に完了したと記録されています。May 2020 core updateは世界的な生活様式の変容の中で展開され、その次のDecember 2020 core updateが開始されるまで約7ヶ月間の空白期間が生まれました。アップデートが半年以上開くこともあれば、数週間で連続することもあるという事実は、過去のデータからも明白です。
2019年:3月・6月・9月のコアアップデート
2019年より、Googleはコアアップデートの命名規則を「月名+西暦+Core Update」へと統一しました。
| アップデート名称 | 告知確認日時 | 公式アナウンスの概要 |
|---|---|---|
| September 2019 Core Update | 9月24日告知 | 事前予告を実施したうえで同日中に展開開始 |
| June 2019 Core Update | 6月3日告知 | 事前に予告を行い各データセンターへ展開 |
| March 2019 Core Update | 3月13日告知 | その週に広範なコアアルゴリズム改訂を実施 |
3月13日の発表では、定期的に実施している広範なコア更新がその週に行われたことが事後報告されました。続く6月の更新では、史上初めて事前にアップデートの実施がTwitter(現X)上で予告され、9月の更新でも同様に事前のアナウンスが行われました。
出典:海外SEO情報ブログ『【March 2019 Core Update】2019年3月12日、コアアルゴリズムのアップデートをGoogleが開始』/海外SEO情報ブログ『【June 2019 Core Update】2019年6月、広範囲にわたるコアアルゴリズムのアップデートをGoogleが開始』/海外SEO情報ブログ『【September 2019 Core Update】Google、今年3回目のコアアップデートを実施』(2026年9月13日確認)
2018年:3月・4月・8月の広範なコア更新
2018年は、Googleが広範なランキング改善を「broad core algorithm update」という用語を用いて公に説明し始めた節目となる年です。
| アップデート通称 | 実施・公表のタイミング | 公式アナウンスで示された基本姿勢 |
|---|---|---|
| 2018年3月の更新 | 3月上旬実施、3月12日公表 | 前週に広範な更新を行った旨を事後報告 |
| 2018年4月の更新 | 4月16日実施、20日公表 | 3月版と同様の品質改善方針を案内 |
| 2018年8月の更新 | 8月1日公表 | その週に広範なコア更新を開始したと案内 |
3月12日の告知において、Googleは「特定のサイトを対象としたペナルティではなく、これまでに評価されていなかった優れたページが浮上するための調整である」という現在に続くコアアップデートの定義を初めて明文化しました。8月1日に公表された更新は一部で「Medic Update」とも呼ばれましたが、Google公式としては特定の業界に限定した更新であるとは認めておらず、全ジャンルを対象とした包括的な改訂であったと説明されています。
出典:海外SEO情報ブログ『Google、2018年3月上旬にコアアルゴリズムのアップデートを実施。順位下落の対処方はすばらしいコンテンツを作り続けること以外になし』/海外SEO情報ブログ『3月に続き4月にもGoogleがコア アルゴリズムのアップデートを実施、それでも対処方法は変わらず』/海外SEO情報ブログ『Google、広範囲なコア アルゴリズム更新を実施。対策は常に1つ――コンテンツの品質改善』(2026年9月13日確認)
パンダ・ペンギンなど、コアアップデートと区別したい更新の歴史
SEOの文脈では、広範なコアアップデート以外にも多くの歴史的なアルゴリズム名が語られます。これらが「どのような目的で導入され、現在どう機能しているのか」の系譜を理解しておくと、古いノウハウに振り回されるリスクを回避できます。
| 導入・発表年 | システム・アップデート名称 | 目的・評価の主眼 |
|---|---|---|
| 2011年 | パンダアップデート | コピーや中身の薄い低品質コンテンツの排除 |
| 2012年 | ペンギンアップデート | 不自然な自作自演リンクやリンクファームの無力化 |
| 2013年8月 | ハミングバード | クエリ全体の文脈を理解する新検索エンジンプラットフォーム |
| 2015年4月 | モバイルフレンドリーアップデート | スマートフォンに最適化されたページの優先評価 |
| 2015年 | RankBrain(機械学習AI) | 未知のクエリに対する概念理解と関連性評価 |
| 2019年 | BERT(自然言語処理) | 前置詞や助詞を含む文脈のニュアンス理解 |
| 2022年8月 | ヘルプフルコンテンツシステム | ユーザー第一に書かれた有益なコンテンツの優遇 |
| 2024年3月 | コアランキングへのシステム統合 | 有用性シグナルのコアシステム化 |
| 2026年2月 | Discoverコアアップデート | Discoverにおける独自性・地域性・低品質排除 |
パンダは内容の品質、ペンギンはリンクスパムへの対処
パンダアップデートは、他サイトからの無断転載、内容の希薄な自動生成ページ、アフィリエイトリンクだけのサイトなどの表示順位を下げるために2011年に登場しました。Google公式ガイドによると、2015年にメインのコアランキングシステムへ統合され、現在はリアルタイムに処理されています。
ペンギンアップデートは2012年に導入され、金銭で売買された外部リンクや自作自演の相互リンクネットワークなどの不正なリンク操作を排除する役割を担いました。こちらも2016年にコアシステムへ組み込まれており、現在はスパムリンクを検出してその評価を自動的に無効化(ディスカウント)する仕様になっています。かつてのように「ペナルティ解除のためにリンク否認ファイルを送信する」といった作業が必要となるケースは極めて限定的です。
ハミングバードはランキングシステム全体の大きな改善
2013年8月に導入されたハミングバードは、個別の順位調整フィルターではなく、Google検索エンジンの基本設計そのものを一新する基盤プラットフォームの刷新でした。ユーザーが入力したキーワードを単語単位でバラバラに照合するのではなく、文章全体の会話的な意図を汲み取って回答を返す能力が劇的に向上しました。
出典:Google 検索セントラル『Google 検索ランキング システムのご紹介』(2026年9月13日確認)
モバイルフレンドリー更新は、スマートフォンでの利用を評価
2015年4月に実施されたモバイルフレンドリーアップデートは、スマートフォンでの閲覧時に文字が小さすぎないか、タップ領域が適切かなど、モバイル最適化が完了しているページをモバイル検索結果で優遇する更新でした。現在ではモバイルファーストインデックスが標準化されており、スマートフォン向けページの品質がサイト全体の評価を決定づけています。
出典:Google 検索セントラル『Rolling out the mobile-friendly update』(2026年9月13日確認)
RankBrainとBERTは、検索語の意味や文脈を理解する仕組み
2015年のRankBrain導入、そして2019年のBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)導入によって、検索エンジンは単語の出現頻度ではなく、自然な文章の「文脈」を理解する能力を獲得しました。「キーワードをページ内に何回含めるか」といった古典的な内部SEOの手法が意味を成さなくなった背景には、これらの深層学習モデルの存在があります。
出典:Google『How AI powers great search results』(2026年9月13日確認)
ヘルプフルコンテンツは、2024年3月にコアの評価へ統合
2022年に始まったヘルプフルコンテンツアップデートは、「検索エンジンの上位表示だけを目的に作られた作為的な記事」を抑制し、「ユーザーを第一に考えた人間味のある記事」を評価するための仕組みでした。前述のとおり、2024年3月のコアアップデートによってその評価ロジックはコアシステムへ完全に統合されました。
したがって現在では、「ヘルプフルコンテンツ対策」という特別な施策が存在するわけではなく、日頃から読者の疑問を最短で解決する真摯なコンテンツを作成すること自体が、最大のコアアップデート対策となっています。
2026年2月のDiscoverコアは、おすすめ記事の表示を改善
2026年2月5日から27日にかけて展開された「February 2026 Discover update」は、Google Discover専用の評価基準を刷新した重要な更新です。
- 地域性との適合
- ユーザーの所在地域に根ざしたローカル発の信頼できる情報を優先的に提示する。
- クリックベイトの排除
- 過度にあおる見出し、誇大広告、中身を隠してクリックを誘発する手法を厳格に減点。
- トピック固有の専門性
- 特定分野を一過性ではなく日常的・継続的に深く掘り下げているサイトを高く評価。
この更新は米国発信の英語圏から段階的に展開されており、検索キーワードを持たないDiscover流入において、安易なトレンドのまとめ直し記事が排除される傾向が強まっています。
実施期間の出典:Google Search Status Dashboard『February 2026 Discover update』(2026年9月13日確認)
出典:Google 検索セントラル『2026 年 2 月の Google の Discover コア アップデート』(2026年9月13日確認)
更新履歴と実データを重ねて、直す範囲を決める
コアアップデートの過去ログを振り返る最大の目的は、アルゴリズムの知識を蓄えることではなく、「自社サイトの流入が減少した正確な期間」と「Googleが実際に実施した更新の種別」を突き合わせ、正しい処方箋を導き出すことにあります。コア、スパム、Discover、そして自社側のシステムエラーを明確に仕分けたうえで、同一条件のクエリ・URLデータに基づいて分析を進めれば、直すべき箇所の輪郭は自ずと定まります。
サーバーエラーやnoindexの誤設定は発見次第即座に修正し、小幅な順位低下に対しては安易な全面書き換えを自重する。客観的なデータに基づいて大きな乖離が見られる主力ページに対してのみ、読者の意思決定を支える実務情報や独自の検証結果を丁寧に補いましょう。安易な記事の大量削除や無計画なリダイレクトは、手塩にかけて育てたサイトの財産を自ら放棄する悪手でしかありません。
順位低下からの具体的な挽回策については、Google検索順位を上げる方法14選でも網羅的に整理しています。下落原因が複数の要因にまたがって判断がつかない場合は、影響を受けたURLと過去の変更記録を手元にそろえて検証を進めてください。
「次のアップデートまでに全記事をAIでリライトし直す」「裏技を使って順位を元に戻す」といった拙速な短絡思考を排し、検索窓の向こう側にいる生身の読者に寄り添った改善を積み重ねていくことこそが、長期にわたって検索評価を守り抜く唯一の王道です。