Crowdroid

Magazine

石川で使えるAI補助金・AI助成金【2026年最新】研修・ツール導入

更新日2026.08.28
確認時点2026年8月28日時点
調査数厚生労働省・中小企業庁・金沢市の公式資料

「社員にAI研修を受けさせたい」「業務にAIツールを入れたい」。そう考えて補助金を調べ始めると、制度名が次々と出てきて、どれが自社に使えるのか分からなくなります。しかも国のIT導入補助金は2026年度から名称が変わり、市の制度は年度ごとに募集が入れ替わります。石川県のAI補助金は「研修に使うのか、ツールの導入に使うのか」で先に分かれます。所管する省庁が違うため、目的を決めないまま探しても比較になりません。この記事では、目的別に使える制度と2026年8月時点の受付状況を、公式資料の記載にもとづいて整理します。

この記事でわかること

  • AI研修に使う制度とAIツール導入に使う制度の違い
  • 制度ごとの補助率・上限額と、2026年8月時点で申請できるかどうか
  • 厚生労働省が警告しているAI研修の勧誘トラブルと対象外になる研修
  • 申請前に押さえておく期限と手続きの順序

まず、目的別の制度一覧です。詳しい条件は本文で解説します。

石川県の企業がAIに使える主な補助金・助成金
目的制度名補助率・助成率2026年8月時点の受付状況
AI研修人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)中小企業75%受付中(令和8年度末までの時限措置)
AI研修人材開発支援助成金(人材育成支援コース)中小企業45〜70%受付中
AI研修金沢市中小企業デジタル人材リスキリング促進助成金経費の1/2市公式で最新の年度をご確認ください
ツール導入デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)1/2以内など受付中(締切が複数回設定)
開発・計画金沢市AI・DX推進支援事業補助金1年目2/3・2年目1/2など令和8年度分は2026年5月22日で受付終了
※2026年8月28日時点。各制度の公式資料の記載にもとづきます。受付状況は変わるため、申請前に必ず各公式サイトでご確認ください。

ここから、目的別の選び方、制度ごとの条件、申請の進め方の順に解説します。

AI補助金は「研修」と「ツール導入」で所管が分かれる

同じ「AIの補助金」でも、社員に研修を受けさせる費用は厚生労働省、AIツールを導入する費用は経済産業省と、所管する省庁が分かれます。対象になる経費が違うため、まず自社が何にお金を使うのかを決めることが出発点です。

補助金
主に経済産業省や自治体が所管し、事業計画の審査を経て採択される制度。予算枠があり、申請しても採択されない場合がある。
助成金
主に厚生労働省が所管し、雇用保険料を財源とする制度。定められた要件を満たせば支給される。
計画届
助成金を受けるために、訓練を始める前に労働局へ提出する書類。事後の申請はできない。
交付決定
補助金の申請が認められた通知。原則としてこの通知の前に発注や契約をすると対象外になる。

AI研修とツール導入と開発計画の目的別に石川県で使える補助金制度を整理した地図

自社がどちらに当てはまるかは、次の考え方で判断できます。

おすすめの方

  • 社員のスキル不足が課題で、外部研修を受けさせたい
  • AIを使える人材を社内に育てたい
  • まず知識から入りたい

合わない方

  • 導入したいAIツールが決まっている
  • 業務システムにAIを組み込みたい
  • ツールの購入費用を抑えたい

前者に当てはまるなら次章の人材開発支援助成金、後者ならデジタル化・AI導入補助金2026が中心の候補になります。

AI研修に使うなら人材開発支援助成金が中心になる

AI研修の費用を抑えたい場合、中心になるのは厚生労働省の人材開発支援助成金です。中でも事業展開等リスキリング支援コースは、中小企業なら経費の75%が助成され、研修を受けている間の賃金まで助成されます。

人材開発支援助成金の主なコースと条件
コース経費助成率賃金助成(1人1時間)向いている場面
事業展開等リスキリング支援コース75%(60%)1,000円(500円)DX化に伴うAI研修。AI用途では最も条件が良い
人材育成支援コース(人材育成訓練)45〜70%800円(400円)AIに限らない10時間以上の社外研修
人への投資促進コース(高度デジタル人材訓練)75%(60%)1,000円(500円)AIエンジニアなど高度人材の育成
※厚生労働省『事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)』の記載にもとづきます(2026年8月28日確認)。カッコ内は中小企業以外の数値です。

事業展開等リスキリング支援コースは、企業内のDX化を進める場合に必要となる知識や技能を習得させる訓練が対象です。厚生労働省の資料には、医療・福祉分野でオンライン診察やAI問診の導入に向けて訓練を受講させる例、運輸業でAIを活用した配送ルートの最適化に向けた人材育成の例が挙げられています。AI導入を前提とした研修は、この類型に当てはまりやすい制度です。

人材開発支援助成金3コースの助成率と対象になる研修の違いを比較した図

金額の上限も押さえておきます。経費助成の限度額は1人1訓練あたりで、実訓練時間数が10時間以上100時間未満なら30万円、100時間以上200時間未満なら40万円、200時間以上なら50万円です。eラーニングと通信制の場合は15万円、定額制サービスによる訓練は1人1月あたり2万円が限度になります。1事業所が1年度に受給できる額は1億円まで、1人の労働者が助成対象となる受講回数は1年度に3回までです。

なお、事業展開等リスキリング支援コースは令和8年度末までの時限措置として設けられた制度だと公式資料に明記されています。活用を考えている場合は、年度内に計画届の準備を進めるのが安全です。

出典:厚生労働省『人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)』(令和8年5月14日以降に提出された計画届に基づく訓練が対象)(2026年8月28日確認)

その研修は対象になるか|厚生労働省が示す線引き

助成率の高さに目が行きがちですが、実務で先に確かめたいのは「その研修が対象になるか」です。AIに関する研修でも対象にならないものがあり、公式資料は除外される例を具体的に示しています。

対象にならない研修の例

  • 既存のアプリやシステムを購入して、その操作方法を習得するだけの訓練
  • デジタル機器で文章や数値を入力する、書式やレイアウトを変更する程度の初歩的な操作のみの訓練
  • コンサルタントによる指導
  • 実訓練時間数が10時間未満の訓練

この線引きは、AI研修を検討する会社にとって現実的な問題になります。市販の生成AIツールの使い方だけを教える講座は、既存のアプリの操作方法を習得する内容に近づくため、対象と認められない可能性があります。研修を選ぶときは、ツールの操作ではなく、業務にどう組み込むかという専門的な知識や技能の習得が中心になっているかを確認してください。

もうひとつ、費用の負担についても注意が必要です。この助成金は、事業主が訓練経費を全額負担していることが支給の要件です。訓練機関からの返金、アンケートや広告宣伝の対価、営業協力金といった名目で実質的な負担が減っている場合、支給要件を満たしません。

出典:厚生労働省『人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)』(令和8年5月14日以降に提出された計画届に基づく訓練が対象)(2026年8月28日確認)

AIツールの導入はデジタル化・AI導入補助金2026

社員の研修ではなくAIツールそのものを導入したい場合は、中小企業庁のデジタル化・AI導入補助金2026が候補になります。これは従来のIT導入補助金が名称を変えた制度で、令和7年度補正予算事業からAIを含むITツールの導入支援へと位置づけが変わりました。

デジタル化・AI導入補助金2026の概要
項目内容
実施主体中小企業庁(事務局:中小企業基盤整備機構)
旧称IT導入補助金
対象中小企業・小規模事業者等のAIを含むITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入
申請枠通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠・複数者連携デジタル化・AI導入枠
締切通年で複数回設定(公式サイトで最新のスケジュールを確認)
※中小企業庁の公表資料にもとづきます(2026年8月28日確認)。枠ごとに補助率と上限額が異なるため、詳細は公募要領をご確認ください。

この制度で気をつけたいのは、事業者が単独では申請できない仕組みになっている点です。事務局に登録されたITツールを、登録済みのIT導入支援事業者と共同で申請します。良さそうなAIツールを先に契約してしまうと対象外になる場合があるため、導入したいツールが決まったら、まずそのツールが補助金に登録されているかを確認してください。

1

使いたいAIツールと支援事業者を探す

締切の1〜2か月前

事務局に登録されたツールかどうかを確認します。

2

gBizIDプライムを取得する

取得に時間がかかる

申請に必要なアカウントです。早めに着手してください。

3

支援事業者と共同で申請する

締切の1週間前を目安

締切当日はアクセスが集中するため余裕を持ちます。

4

交付決定を待つ

決定の通知が届いてから発注・契約に進みます。

締切から逆算した補助金申請の準備スケジュールを時系列で示した図

出典:中小企業庁『デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領を公開しました』(公開日記載なし)(2026年8月28日確認)

金沢市の独自制度は募集時期で追いかける

自治体の制度は年度単位で入れ替わるため、募集時期を押さえておくことが実質的な対策になります。金沢市には、目的の異なる2つの制度があります。

金沢市の主な制度
制度対象助成・補助の内容受付状況
中小企業デジタル人材リスキリング促進助成金ITパスポート・基本情報技術者・応用情報技術者の受験手数料と対策講座受講料それぞれ経費の1/2(合格者1人あたり受験手数料3,000円・講座受講料10,000円、応用情報は20,000円が限度)市公式で最新年度の募集をご確認ください
AI・DX推進支援事業補助金AI・DXの導入計画の策定とシステム導入1年目は計画策定経費の2/3で150万円、2年目はシステム導入経費の1/2(小規模企業者は2/3)で200万円が限度令和8年度分は2026年5月22日で受付終了
※金沢市公式サイトの記載にもとづきます(2026年8月28日確認)。年度により内容が変わるため、最新の募集は市公式でご確認ください。

AI・DX推進支援事業補助金は、1年目に計画を作り、2年目にその計画に基づいてシステムを導入するという2年間の取り組みが前提の制度です。単発の導入ではなく、伴走支援を受けながら段階的に進めたい企業に向いています。2026年度分の受付は終了していますが、この設計を知っておくと、次の募集が始まったときに動き出しが速くなります。

リスキリング促進助成金の方は、金沢市内に本社・本店・支店・事業所を持つ中小企業が対象です。AIそのものの研修ではなくIT資格の取得支援ですが、社員のIT基礎力を底上げする入口として、国の制度と組み合わせて使えます。

制度は併用できるが同じ経費には使えない

複数の制度を組み合わせられるかは、実務でよく問題になります。原則として、同じ経費に対して複数の制度を重ねて受けることはできません。厚生労働省の資料にも、同一の経費・賃金・訓練実施を対象として他の助成金や補助金を申請する場合、どちらか一方しか支給されない場合があると記載されています。

併用の可否の考え方
組み合わせ可否の考え方
AI研修は人材開発支援助成金、AIツール導入はデジタル化・AI導入補助金対象経費が別のため使い分けられる
同じ研修に人材開発支援助成金と市の助成金同一経費への重複となり、一方のみ
研修費は助成金、その研修で使う設備は設備投資加算同一制度内の加算として設計されている
※一般的な考え方です。最終的な可否は各制度の事務局が判断するため、計画段階で両方の窓口へご確認ください。

判断に迷う場合は、自己判断で両方に申請せず、先に窓口へ確認してください。結果として不支給になるだけでなく、意図しない不正受給と扱われるリスクを避けられます。

補助金を待たない方がよいケースもある

補助金は費用を抑える手段であって、目的ではありません。次のような場合は、制度の募集を待つより先に動いた方が結果的に速く進みます。

補助金を使う利点

  • 自己負担を大きく減らせる
  • 社内の合意形成が進みやすい
  • 計画づくりの過程で課題が整理される

待つことのコスト

  • 募集時期まで着手が遅れる
  • 申請と報告に工数がかかる
  • 採択されない可能性がある

対象にしたい業務がまだ決まっていない段階、月に数回しか発生しない業務を自動化したい段階、無料の生成AIで試せる範囲の文書業務であれば、まず自社で小さく試す方が費用対効果に優れます。試した結果として対象業務と効果の見込みが具体的になれば、次の募集での申請内容も濃くなります。

申請の進め方と相談先

制度によって窓口が異なるため、目的に応じて相談先を選びます。

目的別の相談先
目的相談先相談する内容
AI研修の助成金石川労働局計画届の書き方、対象になる訓練かどうか
AIツール導入の補助金IT導入支援事業者ツールの登録状況、共同申請の進め方
制度全般・計画づくり商工会議所、ISICO自社に合う制度の整理、事業計画の相談
申請書類の作成代行社会保険労務士(雇用系)、認定支援機関書類作成、要件の確認
※判断列(相談する内容)は自社の状況に合わせてお使いください。

依頼先を探す段階であれば、石川の補助金申請代行・相談先の選び方で費用の考え方と比較のポイントを解説しています。AIの導入自体を相談したい場合は、石川県のAI導入支援・開発会社の比較もあわせてご覧ください。

石川県のAI補助金に関するよくある質問

A. 事業主が企画し主催する訓練は事業内訓練として扱われ、講師の要件を満たせば対象になり得ます。ただし対象となる経費の範囲が事業外訓練と異なるため、計画届の前に石川労働局へご確認ください。

目的を決めれば候補は1つか2つに絞れる

制度の数に圧倒されそうになりますが、判断の軸は多くありません。要点を整理します。

本記事の要点

  • AI研修は厚生労働省、ツール導入は経済産業省と所管が分かれる
  • 事業展開等リスキリング支援コースは中小企業で経費の75%、令和8年度末までの時限措置
  • 既存アプリの操作方法だけを学ぶ研修は対象にならない可能性がある
  • ツール導入費を研修費として申請できるという勧誘には応じない
  • 計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前まで、補助金は交付決定前の発注が不可

次の一歩として、対象にしたい業務を1つ選び、現在かかっている時間を記録してください。その数字は、どの制度に申請する場合でも計画書の説得力を支える材料になります。

AI導入と業務自動化の相談をしてみる※対象業務の整理からご相談いただけます。制度の申請そのものは各窓口や専門家をご案内します
無料相談へ進む マガジン一覧へ戻る