ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金を使いたい。しかし公募要領を読んでも自社が対象か判断できず、事業計画書を書く時間もない。知人から「代行してくれる業者がいる」と聞いて検索した方は、まず一つ知っておくべきことがあります。2026年1月1日に改正行政書士法が施行され、報酬を得て補助金の申請書類を作成・提出できるのは行政書士(行政書士法人)に限られることが、条文上明確になりました。コンサルタント料や成功報酬という名目でも変わりません。なお、この記事が扱うのは経済産業省・中小企業庁所管の補助金で、厚生労働省所管の雇用関係助成金(キャリアアップ助成金など)は社会保険労務士の業務として別に扱います。この記事では、まず法改正で何が変わったかを整理し、石川県内で申請書類の作成まで依頼できる行政書士事務所と、無料で相談できる公的窓口を紹介します。費用の考え方、登録のない支援業者の見分け方、自社で申請する選択まで含め、依頼先を2〜3件に絞れる状態を目指します。
この記事でわかること
- 2026年1月の法改正で、補助金申請を有償で代行できるのが行政書士に限られること
- 石川県内で補助金申請の作成・提出を依頼できる行政書士事務所と、無料で相談できる公的窓口の使い分け
- 依頼先を選ぶときに確認する5項目と、登録の有無を自分で確かめる方法
- 着手金・報酬・成功報酬の考え方と、成功報酬でも行政書士以外への書類作成の依頼が認められない理由
- 違法な支援業者の見分け方と、すでに依頼している場合の対応
- 専門家に依頼せず自社で申請する選択と、その相談先
まず読者の主要な疑問と短い答えを一覧にし、詳細は各章で扱います。
| 疑問 | 短い答え |
|---|---|
| 補助金の申請代行は誰に頼める? | 報酬を得て申請書類を作成・提出できるのは行政書士(行政書士法人)に限られる(2026年1月施行の改正行政書士法) |
| コンサル会社や中小企業診断士には頼めない? | 事業計画の助言・添削・制度の選定は相談できる。書類の作成・提出を有償で代行してもらうことはできない |
| 社労士には頼めない? | 厚労省系の雇用関係助成金(キャリアアップ・人材開発等)なら社労士の業務。経産省系の補助金は行政書士 |
| 成功報酬なら問題ない? | 問題になる。「いかなる名目によるかを問わず」報酬を得ての作成は行政書士以外に認められていない |
| まず何を使えるか知りたいだけの場合は? | 石川県よろず支援拠点・ISICO・商工会議所などの無料窓口へ。ただし書類作成は行わない(i-7) |
| 費用はいくら? | 事務所により異なり、着手金+成功報酬型が一般的。公式サイトに料金を公開している事務所は少なく、初回相談で確認する |
| 頼んでよい相手かを確かめるには? | 石川県行政書士会の会員検索で氏名・事務所を照合する。「その人ほんとに行政書士?」の窓口もある |
自分の疑問がどこにあるかを確認したら、目次から該当する章へ進んでください。
石川県で補助金申請を依頼できる行政書士事務所
先に法改正の要点だけ3行で示します。報酬を得て補助金の申請書類を作成・提出できるのは、行政書士または行政書士法人に限られます。コンサルタント料・手数料・成功報酬など名目を問いません。中小企業診断士や認定支援機関には、制度の選定や事業計画の助言を相談できますが、書類作成そのものの有償代行はできません。立場ごとの結論を先に表で示します。
| 立場 | 報酬を得て書類を作成・提出 | 補助金支援に関わること |
|---|---|---|
| 行政書士(行政書士法人) | できる(独占業務) | できる |
| 中小企業診断士 | できない | 制度の選定・事業計画の助言・添削・フォーマット提供はできる |
| 社会保険労務士 | 経産省系の補助金(ものづくり・持続化・IT導入等)は行政書士登録がなければできない | 厚労省系の助成金(キャリアアップ・人材開発・業務改善等)の書類作成・提出は社労士の業務。こちらは社労士に依頼する |
| 税理士・司法書士 | 行政書士登録がなければできない | 助言はできる。税理士は試験なしで行政書士登録が可能なため、登録済みならできる |
| コンサル会社 | できない | 助言はできる |
| 事業者本人 | 自分で作成・提出する | ― |
表のとおり、中小企業診断士や税理士が補助金に関われなくなったわけではなく、変わったのは「書類の作成と提出を有償で任せられる相手」が行政書士に限られると明確化された点です。なお、この記事で扱う「補助金」は経済産業省・中小企業庁が所管する制度(ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金・IT導入補助金など)です。厚生労働省が所管する雇用関係の助成金(キャリアアップ助成金・人材開発支援助成金など)は社会保険労務士の業務で、依頼先が変わります。詳しくはi-1で説明します。この章では、その前提で石川県内で申請書類の作成・提出まで依頼できる行政書士事務所を紹介します。まず制度の当たりを付けたい段階の方は、無料で相談できる公的窓口(i-7)から読み進めても構いません。
公式サイトで行政書士としての表示と補助金業務の取扱いを確認できた事務所を紹介します。掲載順はランキングではありません。各事務所の得意分野や進め方は異なるため、早見表で当たりを付け、各事務所の説明を読んでください。事務所名から公式サイトへ移動できます。
| 事務所名 | 所在地 | 補助金に関する特徴 | 料金の目安 |
|---|---|---|---|
| 行政書士篠岡事務所 | 金沢市彦三町 | 補助金の選定から事業計画書の作成・添削まで代表が一貫対応。初回相談無料 | 要問い合わせ |
| 行政書士 道下俊一事務所 | 金沢市山の上町 | ものづくり補助金等の申請支援。特定行政書士・申請取次行政書士 | 要問い合わせ |
| MRS行政書士事務所 | 金沢市(西金沢) | 補助金・助成金を含む幅広い手続き。他士業と連携。代表は石川県行政書士会理事 | 要問い合わせ |
| ハマ行政書士事務所 | 金沢市 | 補助金相談に対応。会計freee認定アドバイザーで会計記帳と併せて相談可 | 要問い合わせ |
| 行政書士高見裕樹事務所 | 金沢市 | 補助金・融資制度を活用した資金調達の助言、開業支援 | 要問い合わせ |
| 行政書士きはらなおみ事務所 | 金沢市 | 事業計画書・申請書類の作成支援。文章作成に強み | 要問い合わせ |
行政書士篠岡事務所

ポイント
石川県内で補助金申請支援を公式サイトの前面に掲げている事務所が、金沢市彦三町の行政書士篠岡事務所です。相談から面談、着手、完了、アフターフォローまでを代表行政書士の篠岡氏が一人で担当すると案内しており、担当が途中で変わらない点は初めて依頼する事業者にとって安心材料です。事業計画書の作成では、頭の中にあるが言葉にできていない事業者の考えを、ヒアリングを重ねて一つの文章にまとめると説明しています。建設業許可・飲食店営業許可・車庫証明など許認可全般も扱っており、補助金と許認可を同時に進めたい開業期の事業者にも対応します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 石川県金沢市彦三町1-2-1 アソルティ金沢彦三1F |
| 電話 | 076-293-1815(AM10:00〜PM6:00) |
| 登録番号・所属 | 石川県行政書士会 |
| 補助金業務 | 補助金の選定・事業計画書の作成・添削・申請支援 |
| その他の業務 | 建設業許可、飲食店営業許可、深夜酒類提供、車庫証明 |
| 料金 | 要問い合わせ(初回相談無料) |
| 公式HP | 公式サイトを見る |
行政書士 道下俊一事務所

ポイント
ものづくり補助金のような国の補助金申請を、県内の事務所で相談したい場合の候補が、金沢市山の上町の行政書士 道下俊一事務所です。公式サイトでは、経済産業省・中小企業庁の補助金を中心に、設備投資・販路開拓・新商品開発など事業目的に合った補助金を見つけることの大切さを説明し、申請支援を提供しています。特定行政書士として行政不服審査の手続代理もできる資格を持ち、遺言・相続、事業所設立、各種許認可、在留資格、介護・福祉関連まで対応範囲は広めです。公式サイトに登録番号を明記している点は、依頼前の確認がしやすい要素です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 石川県金沢市山の上町36番12号 |
| 登録番号・所属 | 登録番号14230412/石川県行政書士会会員(公式サイト記載) |
| 資格 | 特定行政書士・入国管理局申請取次行政書士 |
| 補助金業務 | ものづくり補助金等の申請支援 |
| その他の業務 | 遺言・相続、事業所設立、各種許認可、行政不服審査請求、介護・福祉、国際業務 |
| 料金 | 要問い合わせ |
| 公式HP | 公式サイトを見る |
MRS行政書士事務所

ポイント
補助金だけでなく、会社設立や許認可、相続まで一つの窓口でまとめて相談したい事業者に向くのが、西金沢のMRS行政書士事務所です。公式サイトでは、行政書士の守備範囲の広さを説明したうえで、より専門的な分野は他士業の先生方と連携し、必要に応じて適切な専門家を紹介すると明記しています。補助金申請でも、税務や労務が絡む場合に連携先へつなげる体制がある点は、初めての申請で何が必要か分からない事業者にとって実務的です。代表は石川県行政書士会の理事を務めていると公式サイトで案内しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 石川県金沢市(西金沢) |
| 登録番号・所属 | 石川県行政書士会(代表は理事) |
| 補助金業務 | 補助金・助成金の申請支援 |
| その他の業務 | 会社設立、相続、農地転用、宅建業免許、飲食店営業許可、旅館業許可、車庫証明 |
| 料金 | 要問い合わせ |
| 公式HP | 公式サイトを見る |
ハマ行政書士事務所

ポイント
補助金の申請と並行して、日々の記帳や資金の見える化も整えたい小規模事業者に向くのが、金沢市のハマ行政書士事務所です。公式サイトでは、遺言・相続、在留資格申請、会社設立、会計記帳代行、補助金の相談を掲げ、会計freee認定アドバイザーであることを案内しています。補助金の申請では、直近の決算や資金計画を数字で示す場面が多く、記帳と申請を同じ窓口で見てもらえることは書類の整合を取りやすくします。代表は2016年に行政書士試験に合格し、2017年に開業しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 石川県金沢市 |
| 登録番号・所属 | 石川県行政書士会 |
| 補助金業務 | 補助金の相談 |
| その他の業務 | 遺言・相続、在留資格申請、会社設立、会計記帳代行 |
| 料金 | 要問い合わせ |
| 公式HP | 公式サイトを見る |
行政書士高見裕樹事務所

ポイント
これから開業する、または新規事業を立ち上げる段階で、補助金を資金調達の選択肢の一つとして検討したい事業者に向くのが、金沢市の行政書士高見裕樹事務所です。公式サイトでは、法人設立や開業に伴う書類の整備を円滑に支援すること、各種融資制度や補助金制度を活用した資金調達方法を選択してビジネスプランの策定と金融機関へのアプローチを提案することを掲げています。補助金単体ではなく、融資と補助金を組み合わせた資金計画を一緒に考えたい場合に相談しやすい事務所です。風俗営業許可や旅館業許可など許認可の解説記事も公式サイトで公開しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 石川県金沢市 |
| 登録番号・所属 | 石川県行政書士会 |
| 補助金業務 | 補助金・融資制度を活用した資金調達の助言、ビジネスプラン策定 |
| その他の業務 | 法人設立、開業支援、会計記帳、風俗営業許可、旅館業許可 |
| 料金 | 要問い合わせ |
| 公式HP | 公式サイトを見る |
行政書士きはらなおみ事務所

ポイント
事業計画書は書きたい内容があっても、審査する側に伝わる文章にまとめる作業でつまずく事業者が多い書類です。金沢市の行政書士きはらなおみ事務所は、代表が元学習塾の国語科講師で、文章作成のスキルを活かして補助金申請の事業計画書や申請書類の作成をサポートすると紹介されています。契約書作成でも依頼者の意図を的確に反映した文言を作ることを掲げており、「言いたいことを審査員に伝わる形にする」工程を任せたい事業者に向くと考えられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 石川県金沢市 |
| 登録番号・所属 | 石川県行政書士会 |
| 補助金業務 | 事業計画書・申請書類の作成支援 |
| その他の業務 | 契約書作成 |
| 料金 | 要問い合わせ |
| 公式HP | 要確認 |
ここまでの事務所は、いずれも公式サイトで行政書士としての表示を確認できていますが、依頼前には石川県行政書士会の会員検索でご自身でも所属を確認してください。方法は i-2 で説明します。
2026年1月の法改正で、依頼してよい相手が変わった
改正で明確になった点と罰則
2026年1月1日、行政書士法の一部を改正する法律(令和7年法律第65号)が施行されました。補助金申請の支援を依頼する事業者にとって関係が深いのは、第19条第1項の業務制限規定に加わった文言です。改正により、行政書士または行政書士法人でない者は「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」、業として官公署に提出する書類等を作成することができない、と明記されました。日本行政書士会連合会の会長談話によると、この改正はコロナ禍で行政書士でない者が給付金等の代理申請を行い多額の報酬を受け取っていた事例が散見されたことを背景に、「会費」「手数料」「コンサルタント料」「商品代金」等どのような名目であっても、対価を受領して業として官公署提出書類を作成することは同条に違反することを明確化したものです。談話では、これは改正前の法律でも変わらず、施行日前であってもこうした行為があれば違反になると説明されています。あわせて第23条の3の両罰規定に、行政書士でない者による第19条第1項違反への罰則が加えられ、違反した本人だけでなく所属する法人にも100万円以下の罰金刑が科されることになりました。
補助金の申請書類は、事務局が民間法人であっても国の履行補助者としての地位にあり「官公署に提出する書類」に含まれるとする解釈が一般的です。この解釈に立つと、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金の申請書、そこに添付する事業計画書の作成を有償で代行できるのは、行政書士または行政書士法人に限られます。なお、この点は法律の解釈に関わるため、個別の事案については行政書士など有資格者にご確認ください。
補助金と助成金で、依頼先が分かれる
「補助金」と「助成金」は日常では区別なく使われますが、依頼先を決めるうえでは所管官庁で分けて考える必要があります。経済産業省・中小企業庁が所管する補助金の申請書類は、行政書士の業務です。一方、厚生労働省が所管する雇用関係の助成金は、労働局・ハローワークに提出する書類であり、社会保険労務士法により社労士の業務にあたります。この領域は行政書士では扱えません。自社が使いたい制度がどちらの所管かを先に確認すると、相談先を間違えずに済みます。
| 区分 | 所管 | 主な制度 | 有償で書類作成・提出できる士業 |
|---|---|---|---|
| 補助金 | 経済産業省・中小企業庁 | ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、事業再構築補助金 | 行政書士 |
| 雇用関係の助成金 | 厚生労働省(労働局・ハローワーク) | キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金、業務改善助成金、両立支援等助成金 | 社会保険労務士 |
| 自治体の補助金・助成金 | 都道府県・市町村 | 石川県・金沢市等の独自制度 | 原則として行政書士(制度の性質により社労士が扱える場合もあるため、各士業に確認) |
雇用関係の助成金を検討している場合は、石川県内の社会保険労務士への依頼が相談先になります。
- 行政書士
- 官公署に提出する書類の作成・提出手続の代理などを業として行える国家資格者。補助金申請書類の作成・提出を有償で代行できる。
- 中小企業診断士
- 経営コンサルティングの国家資格。独占業務はなく、事業計画の策定助言や制度の選定を得意とする。書類の作成代行は行えない。
- 認定経営革新等支援機関
- 国が認定した中小企業支援の専門家・機関(税理士・診断士・金融機関等)。補助金によっては確認書の発行が必要。書類作成の有償代行は資格に含まれない。
- 社会保険労務士
- 労働・社会保険に関する書類の作成・提出代行を業として行える国家資格者。厚労省所管の雇用関係助成金の申請は社労士の業務。経産省系の補助金は扱えない。
この3者と事業者本人が、補助金申請のどの工程を担えるかを整理します。
| 工程 | 行政書士 | 中小企業診断士・認定支援機関 | 事業者本人 |
|---|---|---|---|
| 使える補助金の選定・制度の説明 | できる | できる | ― |
| 事業計画の内容への助言・添削・フォーマット提供 | できる | できる | ― |
| 事業計画書・申請書類の作成(有償) | できる | できない | 自分で作成 |
| 電子申請の操作・提出の代行(有償) | できる | できない | 自分で提出 |
| 認定支援機関の確認書発行 | ― | できる(認定機関のみ) | ― |
| 採択後の実績報告書の作成(有償) | できる | できない | 自分で作成 |
表から読み取れるとおり、中小企業診断士や認定支援機関が補助金に関われなくなったわけではありません。事業計画の中身を一緒に考える相手として、引き続き相談できます。変わったのは「書類の作成と提出を有償で任せられるのは誰か」という一点で、ここが行政書士に限られると明確化されました。したがって、事業計画の設計は診断士や支援機関に、書類の作成・提出は行政書士に、という役割分担で進める形が適法な進め方になります。
読者側にもリスクがあります。行政書士でない者に有償で書類作成を依頼した場合、依頼した事業者が直ちに罰せられるものではありませんが、補助金によっては申請書に支援者の記載を求めており、支援者がいるのに無記載であれば虚偽申請として採択の取消や返還請求の対象になり得ます。依頼先の適法性は、事業者自身の補助金を守るための確認事項です。
出典:日本行政書士会連合会『【会長談話】行政書士法第19条第1項及び第23条の3の改正の趣旨等について』(2025年11月1日)(2026年8月18日確認)
出典:日本行政書士会連合会『【会長年頭談話】「行政書士法の一部を改正する法律」の施行について』(2026年1月1日)(2026年8月18日確認)
依頼先を選ぶときに確認する5項目
法改正の内容が分かったところで、実際に依頼先を選ぶときの確認項目を整理します。この5項目は、初回の問い合わせや面談で確認できるものに絞っています。

依頼先を選ぶときの5項目
- 行政書士としての登録があるか(事務所名に「行政書士」とあるか、登録番号・所属会が公式サイトに明記されているか)
- 自社が使いたい補助金の支援経験があるか(ものづくり・持続化・IT導入など、補助金ごとに要件と書き方が異なる)
- 書類作成の範囲と事業者側の役割が契約書に明記されているか(丸投げ前提の契約は避ける)
- 費用の内訳(着手金・成功報酬・実績報告の費用)と、不採択時の扱いが明示されているか
- 「必ず採択される」「採択率◯%保証」といった表現を使っていないか(採択を保証できる相手は存在しない)
1項目目の登録の有無は、石川県行政書士会の公式サイトで自分で確認できます。「行政書士を探す」ページで、エリア(金沢市など)と氏名の頭文字(ア行〜ワ行)から会員を絞り込み、事務所名・所在地・登録日が表示されます。掲載事務所の氏名が会員一覧にあるかを、依頼前に確認してください。同会は非行政書士に関する相談窓口(「その人ほんとに行政書士?」)も設けており、不審な相手について問い合わせることができます。
出典:石川県行政書士会『行政書士を探す』(2026年8月18日確認)
費用の考え方|着手金・報酬・成功報酬の扱い
補助金申請支援の費用は、事務所により体系が異なります。公式サイトに料金を公開している石川県内の事務所は少なく、初回相談で確認するのが基本です。ここでは一般的な考え方だけを整理します。
| 費用の種類 | 内容 | 確認点 |
|---|---|---|
| 着手金 | 依頼時に支払う固定額。不採択でも返還されないことが多い | 不採択時の扱い、着手金に含まれる作業範囲 |
| 成功報酬 | 採択・交付決定時に補助金額の一定割合を支払う | 割合の基準(採択額か交付額か)、支払い時期 |
| 実績報告の費用 | 採択後、補助事業の完了報告書を作成する費用 | 着手金・成功報酬に含まれるか別途か |
| 相談料 | 初回相談は無料の事務所が多い | 2回目以降の扱い |
費用の中で見落とされやすいのは、採択後に発生する実績報告です。補助金は採択されただけでは受け取れず、事業を実施したあとに実績報告書を提出し、確定検査を経て交付されます。この報告書の作成が費用に含まれているかは、契約前に確認してください。
石川県で使える主な補助金と、公募情報の確認先
補助金は年度ごとに公募要領が変わり、対象経費・補助率・締切も制度で異なります。この記事では制度名と確認先の案内にとどめ、補助率や上限額の数値は記載していません。最新の情報は各事務局・県の公式ページで確認してください。
石川県内の事業者が検討対象にしやすい制度と確認先
- 小規模事業者持続化補助金:商工会議所・商工会の確認が必要。公式サイトと最寄りの商工会議所・商工会で確認する
- ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金):設備投資・新製品開発が対象。公式サイトで公募要領を確認する
- IT導入補助金:ITツール・ソフトウェアの導入が対象。公式サイトで対象ツールと申請枠を確認する
- 石川県・ISICOの支援制度:ISICOの「補助金・公募情報」ページに国・県・市町の公募情報がまとまっている
出典:公益財団法人石川県産業創出支援機構『補助金・公募情報』(2026年8月18日確認)
SEOやWeb施策に使える制度は、SEO対策に使える補助金や助成金で別に整理しています。
相談前に準備しておくもの
行政書士に相談するとき、手ぶらで行くと「まず整理しましょう」から始まり、初回の面談が終わってしまいます。次の4点を先にまとめておくと、初回から具体的な話に進めます。

やりたいことを1枚にまとめる
所要1時間何を買う・作る・始めるのか、それで売上や生産性がどう変わるかを、箇条書きでよいので1枚に書きます。
直近の決算書・確定申告書を用意する
所要10分直近2〜3期分。補助金の要件確認と事業計画の数値の根拠になります。
見積書または概算費用を集める
所要数日設備・システム・外注費など、補助対象にしたい経費の見積もり。公募要領で見積書の要件(相見積もりの要否)を確認します。
スケジュールの制約を整理する
所要10分いつまでに導入したいか、公募締切、交付決定前に発注できない制約を照らし合わせます。
登録のない支援業者の見分け方と、すでに依頼している場合
契約前に見分けるうたい文句
法改正後も、「コンサルティング」という名目で実質的に申請代行を続ける事業者が存在します。契約前に見分けるための兆候と、すでに依頼している場合の対応を整理します。
| うたい文句・状況 | 注意が必要な理由 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 「丸投げOK」「書類はすべて作成します」 | 行政書士でなければ有償の書類作成は認められない | 事業者名に「行政書士」があるか、登録番号を聞く |
| 「成功報酬だけなので安心」 | 報酬の名目を問わず規制対象 | 同上 |
| 「採択率◯%」「必ず採択」 | 採択を保証できる者はいない。誇大表示の可能性 | 審査は事務局が行うことを踏まえ、保証表現をする相手は避ける |
| 申請書に支援者名を書かないよう勧める | 支援者の無記載は虚偽申請にあたる補助金がある | 公募要領の支援者記載欄を確認する |
| 契約書に業務範囲が書かれていない | 作成代行か助言かの区別がつかず、責任の所在が曖昧 | 業務範囲と事業者側の役割を書面で確認する |

すでに行政書士でない業者に依頼している場合
すでに契約している相手が行政書士でないと分かった場合、まず契約書で業務範囲を確認してください。事業計画の助言や添削にとどまり、書類は自社で作成・提出しているなら、それ自体は規制の対象外です。書類の作成・提出を任せている場合は、契約の見直しを検討し、必要に応じて行政書士や弁護士に相談してください。申請済みの案件で支援者の記載に不備がある場合も、事務局への確認と専門家への相談を早めに行う方が安全です。
まず無料で相談できる公的窓口と、無料であることの限界
石川県内で補助金の相談ができる公的窓口
「うちが使える補助金は何か」「そもそも申請すべきか」という段階なら、行政書士事務所へ行く前に無料の公的窓口で整理する方が遠回りになりません。石川県内には、国・県が設置する経営相談の窓口があり、補助金の相談も受け付けています。
「うちが使える補助金は何か」「そもそも申請すべきか」という段階なら、行政書士事務所へ行く前に無料の公的窓口で整理する方が遠回りになりません。石川県内には、国・県が設置する経営相談の窓口があり、補助金の相談も受け付けています。
| 窓口 | 所在地・連絡先 | できること |
|---|---|---|
| 石川県よろず支援拠点 | 金沢市鞍月2丁目20番地 石川県地場産業振興センター新館/Tel.076-267-6711 | 国が設置する無料の経営相談所。中小企業診断士・行政書士・税理士等が対応。県内市町での出張相談会あり |
| ISICO(石川県産業創出支援機構)経営相談 | 同上/経営支援課 Tel.076-267-1244 | ISICOアドバイザーによる窓口相談、外部専門家派遣。補助金・公募情報の一覧ページを運営 |
| 金沢商工会議所・各商工会 | 各所 | 会員向けの経営相談、小規模事業者持続化補助金の相談窓口(商工会議所・商工会の確認が必要な補助金がある) |
| 石川県行政書士会 無料相談会 | 金沢市鞍月2丁目2番地 石川県繊維会館3F/Tel.076-268-9555 | 会が主催する無料相談会・お困りごと相談所。行政書士に直接相談できる |
公的窓口で制度の当たりを付け、事業計画の骨子ができたところで、申請書類の作成まで依頼したい場合に行政書士事務所へ進む。この順序が、費用も時間も無駄になりにくい進め方です。
無料の窓口でできないこと
公的窓口は無料で使える一方、依頼する側が知っておくべき限界もあります。第一に、申請書類の作成・提出そのものは行いません。制度の案内と事業計画への助言が中心で、書類は事業者が自分で作ることが前提です。第二に、担当者を指名できず、相談のたびに担当が変わることがあります。相談時間も1回あたり数十分から1時間程度に区切られ、継続して一つの案件を追ってもらう形にはなりにくい点は、締切が迫っている案件では不利に働きます。第三に、公募直前は相談が集中して予約が取りにくくなります。第四に、窓口が対応するのは経営全般の相談であり、特定の補助金の審査傾向や記載の細かなコツまで踏み込んだ助言は、その補助金の支援経験がある行政書士の方が具体的な場合があります。無料窓口で制度と方向性を固め、書類作成まで任せたい・締切に確実に間に合わせたい場合に行政書士事務所へ進む、という使い分けが現実的です。
専門家に依頼せず自社で申請する選択もある
ここまで依頼先の選び方を整理してきましたが、補助金の申請は事業者本人が行うことが原則で、専門家に頼まなくても申請できます。次の分岐で確認してください。
行政書士に依頼した方がよい条件
- ものづくり補助金のように事業計画書の分量が多く、社内に書く時間がない
- 複数の補助金を比較して最適な制度を選びたい
- 許認可や会社設立と合わせて進めたい
- 採択後の実績報告まで含めて任せたい
自社で申請してよい条件
- 小規模事業者持続化補助金のように商工会議所・商工会の支援を受けられる制度を使う
- 使いたい制度が決まっていて、事業計画を自社で書ける
- よろず支援拠点など無料窓口の助言で足りる
- 申請額が小さく、報酬を払うと費用対効果が合わない
自社で申請する場合、i-7で紹介した石川県よろず支援拠点や商工会議所・商工会が、制度の選定から事業計画の助言まで無料で対応しています。持続化補助金は商工会議所・商工会の確認が必要な制度でもあり、この窓口を使わない手はありません。事業計画の助言を受けながら書類は自社で作成・提出する形なら、費用はかからず、法改正の問題も生じません。サイトを補助金に頼らず自社で持ち続ける方法は別記事で整理しています。
石川県の補助金申請に関するよくある質問
依頼先を探す段階で、担当者からよく寄せられる疑問をまとめました。契約や費用に関わる項目は、依頼先の説明で最終確認してください。
A. 事業計画の助言や添削、制度の選定は相談できます。書類の作成・提出を有償で代行してもらうことができないだけです。診断士に計画を相談し、書類の作成は行政書士に依頼する、または自社で作成する形が適法な進め方です。
A. 経産省系の補助金(ものづくり・持続化・IT導入等)は、行政書士登録がない場合、報酬を得て書類を作成することはできません。税理士・司法書士の資格を持っていても同じです。税理士は試験を受けずに行政書士登録ができるため、登録している税理士であれば依頼できます。社労士は、厚労省系の雇用関係助成金(キャリアアップ・人材開発等)であれば書類作成・提出を依頼できます。
A. 報酬の名目や支払い時期を問わず、行政書士でない者が書類作成の対価を受け取ることは認められていません。相手の登録を確認してください。
A. 石川県よろず支援拠点(金沢市鞍月)は国が設置する無料の経営相談窓口で、補助金の相談も受けています。商工会議所・商工会、ISICOも無料で相談できます。
A. 石川県行政書士会の「行政書士を探す」ページで、エリアと氏名の頭文字から会員を検索できます。公式サイトの登録番号の記載も確認材料になります。
A. 事務所・補助金の種類により異なり、公式サイトに料金を公開している事務所は少ないため、初回相談で見積もりを取ってください。着手金と成功報酬の組み合わせが一般的で、実績報告の費用が含まれるかも確認してください。
登録の有無を確認してから2〜3件に相談する
石川県内で補助金の申請支援を探すとき、2026年1月の法改正を知っているかどうかで、依頼先の選び方は変わります。
この記事の要点
- 2026年1月施行の改正行政書士法で、報酬を得て補助金申請書類を作成・提出できるのは行政書士に限られることが明確になった。名目を問わない
- 中小企業診断士・認定支援機関には事業計画の助言を相談できる。書類作成の有償代行はできない
- まず何を使えるか知りたい段階なら、石川県よろず支援拠点・ISICO・商工会議所の無料窓口へ
- 書類作成まで依頼するなら、公式サイトで行政書士の表示と補助金業務を確認できた県内の事務所へ
- 依頼前に石川県行政書士会の会員検索で登録を確認する。「丸投げOK」「成功報酬だから安心」「必ず採択」は注意信号
- 自社で申請する選択もある。持続化補助金は商工会議所・商工会の支援を受けながら自社で申請できる
次の行動としては、まず自社が「相談の段階」か「書類作成を依頼する段階」かを決めてください。相談の段階なら無料窓口へ、依頼の段階なら早見表から2〜3件を選び、石川県行政書士会の会員検索で所属を確認したうえで、i-5の4点を持って初回相談に進んでください。なお、補助金を使ってホームページの制作やAIの導入を検討している場合、制作・導入そのものの相談は当社でも受けています。申請書類の作成は行政書士の業務であり当社では行いませんが、補助金の対象になる制作・導入の内容や見積もりの整理については相談してください。